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 初めての食事会から一ヵ月後の、春休み最初の日。  四人は史人と加奈子が選んだ一軒家で、山積みになったダンボールと格闘かくとうしていた。朝の早い時間に業者に荷物を運んでもらい、瑛と和也は各々おのおのの部屋を、史人はリビングを担当し、加奈子は台所を片付けていた。  時計の針が正午しょうごで重なる少し前、自室じしつの整理を終えた瑛が、台所のドアを開ける。目の前のダイニングテーブルいっぱいに積み上げられた食器に、驚いたような声をだす。 「加奈子さん、コレ、どうしたんですか?」  食器の陰に隠れてしまっていた加奈子が、ひょいと顔を出す。 「二家族分ふたかぞくぶんの食器よ。使うものと、すぐは使いそうにないものと分けてるとこなんだけど、なかなか片付かなくって」  小さく舌を出して決まり悪そうな表情をする加奈子に、瑛が笑って言う。 「そっか、そうだよね。別々の生活が出来てたんだから、なんでも二つずつあって、それを整理するのは大変だよね」  すんなりと同意してくれる瑛に、ほっとしたような笑顔を見せて、加奈子がこそこそと近づく。 「お昼、どうしたらいいと思う?」  内緒話のような耳打みみうちに、瑛がダイニングを見渡す。今のままでは、キッチンはとても使えそうにない。 「お昼は、近くで弁当でも買ってきましょうか?」  言ってすぐ、瑛は素早くリビングを振り返り、史人を指差す。 「父さんも和也も、限界みたいだからさ」  キッチンの硝子越しに見えるふたりの影に、加奈子がくすくすと笑う。 「そうね。なんか私達よりずっとダメージ大きそう」  可笑おかしそうに言う加奈子と目をあわせ、瑛も思わず笑ってしまう。  リビングのソファには、脱力だつりょくした史人が座っている。そして、その斜向ななめむかいの床に、和也が座っていた。壁を背に、フローリングにぐったりと座り込んでいる和也は疲れきった様子で、普段の攻撃的な表情が消えてしまっていた。缶ジュースを手に、ぽやんと瞳を泳がせている表情は、和也を年齢以上に幼く見せている。 「お疲れ。そろそろ十二時になるよ」  リビングのドアを開けながら声を掛ける瑛に、史人が振り返る。 「ああ、お疲れ。昼飯時ひるめしどきかぁ……。どうする?」  和也をチラチラと気にしながら、瑛に向って問いかける。 「台所がさ、まだ使えそうにないんだ。だから、弁当でも買って来ようかって加奈子さんと話してたんだけど、それで良い?」 「弁当屋なんて、近くにあったか?」 「うん。朝、車の中から看板見つけたから、多分、歩いて十分くらいのトコだと思うよ」 「さすが目聡めざといな。じゃ、コレで頼むよ」  ごそごそと胸ポケットから一万円を取り出して、瑛に渡す。 「伊達だて主婦業しゅふぎょうこなしてたわけじゃないからね」  受け取った一万円札を、そのままズボンの後ろポケットに突っ込んで、瑛が上着を手に取る。 「和也、一緒について来てくれる?」  それまで無関心を装って振り返りもしなかった和也の肩に手を置いて、当たり前のように誘う。面倒くさそうに見上げた和也の目付きは、先刻さっき硝子越しに見かけた幼さなんか微塵みじんも感じさせない、相当険悪そうとうけんあく性質たちの悪いものだった。けれど瑛は、その表情にまったくひるむ気配を見せない。 「ひとりじゃ持ちきれないからさ、手伝ってよ」  言いながら、動こうとしない和也の、腕をつかもうとする。  にゅっと伸びてくる手にビックリして、和也は思わず立ち上がってしまう。逃げ場のないすみに座っていた和也にしてみれば、瑛の手を避けるには立つしかなかった。けれどその動きが、瑛の思惑おもわく通りだったような気がして、和也は面白くない。むっとしたように唇を尖らせ、これ見よがしにガンとキャビネットに呑みかけの缶を置き、放ってあった上着を手にすたすたと歩き出す。 「じゃ、行って来ます」  明るく挨拶したのは、もちろん瑛だけ。それでも、不貞腐ふてくされている和也を嫌々いやいやながらでも動かした瑛の行動力に、加奈子は驚いていた。 「瑛くんって、強引ごういんなとこあるんだね」  瑛の、優しげな笑顔しか知らない加奈子が意外そうに言うと、史人がクスリと笑う。 「瑛の本性知ったら、そんな悠長ゆうちょうなこと言ってられないぞ。僕はあんな強情ごうじょうな奴、他で見たことないからね」 「そうなの?」 「ああ。こうと決めたらテコでも動かないところがある」 「へぇ、そうなんだ」  軽く頷いて、すとんと史人の隣に座る。 「でも、頼もしい。イザって言うとき頼りになりそう」 「僕よりも?」 「今はね」  加奈子の迷いの無い返事に、史人がぽりぽりと頭を掻く。 「ゆっくり時間をかけて、お互いに馴染なじんでいければって思ってるんだけど、和也くんの前では僕のほうが緊張してしまうね。なんかこう、気持ちが強張こわばるっていうのかな」  ふっと息を吐き出して、ソファーに深く腰かけなおす。 「あの年代の子ってさ、こっちが下手したてに出てしまうと、よけい反発はんぱつするところあるだろう? あの子達にとって、気遣きづかいなんてものはこびと一緒で、鬱陶うっとうしいだけだからね」  膝の上に両肘を突いて、背中を丸める。 「でもさ、それを知っていても、和也くんにはどうしても好かれたいって気持ちが先走っちゃって、何か話そうとするとご機嫌うかがいみたいな言葉しか思い浮かばなくて、結局、何も言えなくなる」  隣に座った加奈子を肩越しに見上げ、自嘲気味に言う。 「君には「時間をかけよう」なんて、偉そうなこと言ったけど、僕のほうがよっぽどあせってるのかもしれないね」  しゅんとしたように言葉を並べる史人に、加奈子が笑顔で問いかける。 「史人さんでも自信失くしちゃうコト、あるんだ?」 「君達の前では、いつも小心者しょうしんものだよ」 「私の前でも?」 「そりゃそうだよ。好きな人の前で強気つよきでいられるくらいなら、僕だって悩んだりしないよ。嫌われたってかまわない相手なら、好き勝手やってるさ」  丸めていた背中をピンと伸ばして、加奈子を見下ろす。そんな史人を、悪戯っぽい瞳で見上げて、加奈子が可愛らしく問いかける。 「でも、私達は、もう家族なんでしょ?」 「えっ? そりゃ、もちろん」 「だったら私の前では、もうそんなこと言わないで。小心者にならなきゃ一緒に居られない家族なんて、寂しすぎるじゃない」  加奈子の言葉に、史人がはっと息を呑む。  そう、確かに。史人にとって加奈子も和也も、これからずっと一緒に生活していく相手であって、その場限りの恋愛相手じゃない。お互いを知るための時間はとっくに過ぎて、ふたりは既に一緒に生きていくことを約束している。その相手に気遣われるということがどういうことか、それがわからない史人ではなかった。 「そっか。そうだよね。……ごめん」 「いやね。謝らないでよ」  軽やかに言って、加奈子がぽんと自分の膝に両手を置く。 「私だって瑛くんには、嫌われるよりは好かれたいって思うわよ。でもね、家族ってそれだけじゃ駄目でしょ? 瑛くんは優しいから、私を傷つけたりしないけど、それだからって私は安心なんか出来ない。だって「人」って、良い面だけじゃなくて悪い面だってあるでしょ? それを見せてもらえた時がきっと、本当の家族への一歩になるんじゃないかなって気がしてるの。それはきっと楽しい出来事じゃないから、怖くもあるんだけど、私はその時を、多分、待ってるんだと思う」  大きな瞳を、まっすぐに向けて、加奈子が続ける。 「私ね、瑛くんのお母さんになりたいの。それはもちろん、簡単に叶えられる願いじゃないって知ってるけど、でもね、「なりたい」って気持ちがある限り、その願いに近づくことは出来ると思うの。史人さんも、そう思うでしょ?」  同意を求める加奈子の言葉に深く頷いて、史人が笑う。お互いがまったく違った人生を歩んできて、それぞれに守りたい存在がある。けれどその「守りたい存在」ですら、自分達はその全てをわかっているわけじゃない。 「何事も、一朝一夕いっちょういっせきでは叶わないってことかな?」 「そうそう。今はとりあえず、私達はあの子達のことが大好きで、たとえ一方通行でも想いがあるってことをお互いが知っているだけで充分だと思うの。それじゃ駄目?」  加奈子の問いかけに応えるように、加奈子の肩に史人の腕が回される。ふたつの影が重なるリビングは、穏やかで甘い空気に満たされていた。  住宅街を抜けて、車両の多い大通りを歩きながら、瑛が口を開く。 「まだ空気が冷たいね」  行き先を知らない和也は、家の前の道路に出た瞬間立ち往生おうじょうしてしまい、今はさり気無く誘導する瑛の、半歩後ろを歩いていた。 「早く、あったかくなるといいのにね」  前を向いたままの瑛の呟きはまるで独り言みたいで、和也もただ聞き流していた。 「弁当、何にする?」  すると、何の前触れもなく、いきなり瑛が振り向いた。驚いて立ち止まってしまった和也を見上げ、同じように足を止める。真正面から聞かれては無視する事も出来なくて、和也が不機嫌そうに応える。 「別に、……適当でいいよ」  そっけなく言って、瑛の横をすり抜け歩き出す。 「和也の、好きなもの」  不意に、歩速を揃えてくる瑛が、まるで歌うように、和也の名前を口にした。 「カレー、唐揚げ、ハンバーグ」  足もとを見ながら、音階おんかいを踏むように、和也の好きなメニューを口ずさむ。思わず足を止めてしまった和也を振り返って、ふんわりと笑う。 「でも、一番は、加奈子さんお手製の、茶巾寿司ちゃきんずし」  目尻と口の端に、優しさを強く滲ませて、 「カレーも唐揚げもハンバーグも、僕も好きだよ」  本当に、嬉しそうに言う。 「だから、加奈子さんの茶巾寿司、いまからすっごく、楽しみにしてるんだ」  にこやかに続けられる言葉が、きらきらと光を弾く。  その愛情としか呼び様のない声音は、和也に向けられるには無防備むぼうび過ぎた。自分より年上の、れっきとした社会人のはずの瑛が、妙に幼く見えるほどに。  その瞬間和也は、瑛が父親のためとかではなく、瑛自身が、本気で自分の「家族」になろうとしているんだと、気づく。なりたいと望んでいると。そうでなければ、知り合ったばかりの自分に、こんなふうに笑いかけるはずがない。こんな満面の好意を、渡せるはずがない。 (俺は認めない。兄さんなんて要らない!)  苦々しく逸らした視線の先に弁当屋の看板を見つけて、和也は瑛を振り切るようにスタスタと歩き出す。慌ててついて来た瑛が店に入るなり、カレー弁当を四つ頼む。そして目の前に並ぶ惣菜からから揚げを選んで、レジの前に持っていく。瑛の行為は、和也の好みに従っただけの他意たいのないものだった。けれど和也は、自分が子ども扱いされているような理不尽りふじんさを覚える。 (保護者面すんな!)  レジに積まれた弁当を、瑛が清算するより早く鷲掴わしづかんで、足早に自宅に戻った。  カレーが好きだと言ったくせに、瑛は弁当を半分位残していた。から揚げだってひとつしか口にしていない。もともと少食なのか、それともあの場限りの嘘だったのか、考えても答えなんか出るはずもないのに、そんな些細なことに和也はイラつき始めていた。どうでもいい相手なら、嘘をつかれようが調子の良いことを言われようが気にも留めないはずなのに、瑛の言葉にこだわっている自分が、許せなかった。  午後の荷解にほどきは、史人と和也が午前中で終われなかった分を片し、部屋の片づけを早々に終えた瑛は加奈子を手伝って台所に立っていた。食器全部を洗って食器棚に整理し、余分な鍋や使わない食器は納戸なんどに運ぶ。ただそれだけのことなのに、ちまちまと細かいキッチン用品は片付ける端から同じものが出てきたり、使うはずのものを仕舞い込んでしまったりと、なかなか思うように片付かない。結局、夕食の時間は大幅にずれ込んで、台所が使えるようになったのは、八時になろうかという時間だった。 「やっと終わったぁ」  ふーっと大きく息を吐き出して、加奈子がダイニングの椅子に座り込む。 「あぁ~、夕食、どうしよぉ~」  テーブルに突っ伏して、泣きそうな声で続ける。その時、「リーンゴーン」と玄関のチャイムが鳴った。 「何?」  ぱっと顔を上げ、加奈子が言う。 「は~い」  呑気のんきな返事は史人だった。 「なんだろ? 加奈子さん、座ってて」  立ち上がりかけた加奈子に座るようにと促して、瑛が玄関まで出て行くと、史人の背中の向こう側に白いエプロン姿の出前持でまえもちちが立っていた。 「ありがとうございます。天蕎麦てんそばセット四人前、お持ちしました」 「ああ、どうも、どうも。ココ、置いちゃってください」  史人が慣れた感じで応対している。 「食器は玄関の外にお願いします。ありがとうございました」  ハキハキと気持ちのいい挨拶が、ドアの向こうに消えていく。 「父さん、いつの間に注文したの?」 「お前達の様子見ながら、ちょっと前にね。グットタイミングだろ?」  問いかける瑛に、史人が鼻高々はなたかだかと言った感じで応える。 「うん。今日は夕食の材料ってほとんどなかったから、助かったよ。加奈子さんもきっと喜ぶと思うよ。先、言ってくるね」  くるんと方向転換してダイニングに向かって駆け出す瑛の後ろから、蕎麦を持ってそろそろと歩く史人が続く。片付いたばかりのダイニングテーブルに、ホカホカと湯気の立つ天ぷら蕎麦と炊き込みご飯が並べられる。 「今日、私、なんにも主婦してない」  蕎麦を前に、加奈子が情けなさそうに言う。 「今日はしょうがないよ。みんなクタクタなんだから」  蕎麦に薬味を入れながら、瑛がなぐさめる。瑛の隣には史人が、史人の前には加奈子が、そして加奈子の隣に、視線を落としたままの和也が座っている。白木しらきの真新しいテーブルに、蛍光灯がまぶしく反射する。  団欒だんらんには参加せず、黙々と食べていた和也が、ふと箸を止める。今自分が座っているこの席が、これからの定位置になるんだろうと、ぼんやりと思う。窮屈な型にぐいぐいと押し込められていくような息苦しさに、和也がおもむろに箸を置く。 「和也、ご飯足りた? もし足りなかったら、ご飯ならあるよ」  そんな和也に目聡く気づいて、瑛が問いかける。軽い吐き気を感じて、席を立つ和也に、加奈子が叱るように言う。 「ちょっと和也、返事くらいしなさいよ」 「加奈子さん」 「だって」  瑛の、母を宥めるような声音がしゃくさわって、和也はそのまま二階へと上がっていく。呼び止める声は、もう聞こえなかった。  夕食後、和也は一歩も部屋から出ずにいた。  シンとした、うつろな空間。その空き箱みたいな場所に、初めて部屋を与えられた嬉しさなんてなかった。ただ、とても寂しくて、寒い場所のように、和也には思えた。  いつもなら加奈子とふたり、テレビを見ながら他愛ない会話をしている頃。多分、もう二度と、あの何気ない時間は戻ってこない。その事を哀しんだり、しんだりするほど、感傷的かんしょうてきな性格ではなかったはずなのに、和也の胸底むなぞこがチリチリとうずく。  妙に憂鬱な気分が晴れなくて、もう眠ってしまおうとベッド脇の照明に手を伸ばしかけた時、ノックの音が和也の動きを止めた。ギロリとドアを睨みつけ、和也はベッドの上で膝を抱えなおす。 「和也?」  遠慮がちな声に、やっぱりと肩を落とす。ノックだけで予想はついていた。案の定、瑛の細い声が、ドア越しに聞こえる。 「なに?」  寝た振りをすることも出来た。けれどもしもそうしたなら、瑛のことだから照明を消してやろうなんておせっかいなことを考えかねない。この部屋に、瑛を踏み込ませることはしたくなくて、仕方なく応える。 「明日……さ、加奈子さんと一緒に、近くのスーパーに日用品買いに行くことになったんだけど、……和也も、行く?」  問いかける声は、穏やかな、悪く言えば感情を一切排除したような声だった。その臆病そうな声音に、和也は少しの間押し黙った。  応えを迷った訳ではなかった。ただ、じっとドアの外にいる瑛の行動が、に落ちなかった。昼間の強引さがあれば、いきなりドアを開くことも出来るだろうに。 「俺は、いい」  鍵の掛かっていないドアを見つめながら、和也はドアの外に聞こえる、ぎりぎりの大きさで言う。 「そっか」  すると、予想に反して、瑛があっさりとうなずいた。もっとしつこく誘われると思っていた和也は、肩すかしをくらったような気分になる。けれど同時に、ものわかりよく引き下がる瑛に、理不尽な苛立ちを覚える。瑛の、なにもかもわかっているというような態度が、気に入らない。 「じゃあ、お休み。遅くに、悪かったね」  和也の返事を待たずに去って行く、足音がする。瑛が隣の自室へ入るのを、和也は耳だけで追っていた。  今も和也は再婚に反対だった。その気持ちは、一緒に暮らしたからといって変われるほど簡単なものではなかったし、変わりたいとも思っていなかった。だから、史人も瑛も、絶対に好きにならないと決めていた。多分、今も、瑛のことは好きじゃない。  けれど、そんな和也の気持ちを察しているはずの瑛は、和也の「家族」になろうと、必死に和也に近づいてくる。  初めての食事会から今日まで、和也は一度だって瑛に好意的に接した事はない。数回に及んだ顔合わせ、そのどれもが、とげを含んだ居心地の悪いものでしかなかった。なのに瑛は、どんなに酷い言葉を言っても、無視をしても、一瞬後には何事もなかったように、いつもどおりのやわらかな物腰ものごしで、和也に話しかけてくる。  瑛が、和也の態度に傷つかないはずはなかった。本当に、心から、自分達と家族になりたいと思っているなら、その思いの深さの分だけ傷ついたに違いない。そう確信できるのに、瑛はそれでも、ただまっすぐに、和也を見つめてくる。 「くそっ!」  ボスンとベッドに拳を打ち込む。  ねた子供の事なんか、もう、放っておいてもらいたい。いい加減、自分の事は諦めて欲しい。いい歳をした大人が、なぁなぁで家族を取り繕ってどうなるって言うんだ。  ボスボスと、続けざまにベッドを打ちえる。行き所のない苛立ちは、和也の中でふつふつと、気泡きほうを弾き始めていた。

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