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 私は元々、鳥が好きだったわけではない。むしろ苦手だった。鳥って何だか、くちばしは痛そうだし、目も鋭い。  どう考えたって、突然立ち上がるレッサーパンダとかの方がかわいい。  だけど去年、無類の鳥好きの友達に誘われ、断り切れずにこのバードランドを訪れた。  どこを見ても、鳥、鳥、鳥。  友達をつついて「早く帰ろうよ」と言いかけた。  でも次の瞬間、バックヤードから出てきた、涼しげな目元をした飼育員のお兄さんに――こともあろうか、一目惚れをしてしまったのだ。  彼はカウンターにいるフクロウを優しく扱い、もう片方の腕に乗せていた別のフクロウと場所を交換させていた。無知な私にも、彼はあのフクロウの世話をしているひとなんだ、ということは分かった。

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