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 休憩室は、廊下の突き当たりにある。  古びた建物の中でもさらに古びた感じの部屋で、少々埃っぽい。  どこかのリサイクルショップで買ってきたような、へたったソファに腰をかけると、私は「ううーん」と伸びをする。  今日は土曜日なので、朝からのシフトだった。前のパン屋のバイトみたいに立ちっぱなしも疲れるけど、座りっぱなしでもやっぱり疲れる。  誰も来なさそうなこの空間で、思いっきりリラックスしていると、休憩室のドアがキィと音を立てて開く。  そのドアの向こうから藤田さんが現れて、私は身体をこわばらせた。    ――えっ! うそでしょ? 待ってなになに、どうしよう――  内心、慌ててしまう。  だって、今まで休憩が一緒になったことなんて、一度もなかったのに。 「あ」  私が熱くなる頬を見られないようにうつむいていると、藤田さんが声を発した。 「きみ、受付の?」  それは思ったよりも、ずっと気さくそうな声だった。

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