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ああ、色んな思い出があるなぁ。 秋の三日月は、とてもセンチメンタルな気分にさせてくる。 あなたと初めて出会ったのは、中学生の時。受験を控えていたけれど、あなたとの時間を私は削ることができなかった。 高校生になって、人間関係が広がった。バドミントン部に入って、毎日放課後は練習に費やした。でも、あなたが一番大切だったから、夜遅くても朝早くても、一緒に過ごす時間を作った。 大学生になったら、案外、自分の時間を作るのが前よりも簡単になった。バイトをして、自由に遣えるお金も増やすことができた。サークルの飲み会も楽しかったけれど、やっぱり一番はあなた。沢山の想いをあなたと共有することができて、幸せだった。 社会人になったら、お金は増えたけれど、時間は足りなくなった。毎日毎日、仕事ばかりだった。ヘトヘトになって家に帰ると、スマホ越しのあなたの笑顔に癒やされた。 でも、もうあなたとはおしまい。私は次のステップへ進まなくてはいけない。あなたといては、きっと、私の望みは叶わない。 さようなら…私の愛しい人。 彼女は潤んだ瞳で、コミックと自作、他作入り混じる大量の夢漫画同人誌を、人目を避けてこっそりと指定のごみ捨て場へ出した。 もうすぐアラサーの、結婚願望のある彼女。二次元の恋人に現を抜かしていては、きっと婚活はうまくいかない。

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