作品に栞をはさむには、
ログイン または 会員登録 をする必要があります。

「結婚おめでとう。Fちゃんの人生の良き日に、君の名前を呼ぶことができて、僕は幸せ者です。これからも隣に座っている旦那さんと末長くお幸せに」 今日は、新しい一歩を踏み出すために待ちに待ったハレの日だ。 たくさんの友人知人、親戚の皆から祝福してもらって、今日はなんて素晴らしい日なのだろう。この良き日を忘れずに、T君とこれからも一緒に生きていくんだと気持ち新た。 そんな日に貰う。父からの御祝の言葉。 父は、私が小学二年生の頃に大病を患い遂に帰らぬ人となった。 そう、これは生前に父が撮ったビデオレター。父は私のためにメッセージを残してくれていた。 父は以前から持病があり、父が小さい時には何度か入院をしていたらしいということは、つい最近母から聞いたことだ。 そして、父が亡くなってからというもの、母は一人の手で私と弟をここまで育ててくれた。母は私たちに惜しみない愛情を注いでくれた。母はいつだって私たちを最優先にしてくれた。自分の予定もキャンセルし、大好きだった観劇も私たちが大きくなるまでは行くことができなかった。それ以外にもきっと我慢したことがたくさんあったことだろう。 母にはいくら感謝しても感謝しきれない。「母は今まで好き勝手できなかったから、これからは存分に母を甘やかしてあげるんだ」と、私はT君によく話している。それを優しく微笑みながら聞いてくれるT君のことを、私は選んだ。 そんな私の大好きな母が選んだ男性。そして、母を愛した男性。それが私の父だ。 父はいつもニコニコと笑っていた優しい人だったと記憶している。 そんな亡くなった父からのビデオレターが、今日のこの二度目の結婚式でも流されたので、嬉しさ半分ありつつも、私としては正直少々バツが悪い。

応援コメント
0 / 500

コメントはまだありません