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ルスは、確かに今朝、俺を幸せにすると言ってくれた。 実直そうな眉で、真っ直ぐな瞳で、柔らかな笑みを浮かべて、俺にそう言ってくれた。 ……けどさぁ、幸せにしてくれんの早過ぎねぇ? 俺もう幸せで死にそうなんだけど?? 何だよ花束って。 いきなり初日からそんなん持って帰ってくるか? しかもさ、俺の……俺のイメージカラーってさ……直球すぎねぇ?? なんかもう直球すぎて俺が恥ずかしいんだよ!! いやまあ、ルスが花言葉だとかそんなん詳しいわけねぇしな。 分かるよ。 頭では分かってるよ。 でも心が追いつけてねーからっっ!! その上なんだよ、叔母さんの応援付き!? 許可じゃなくて?? 応援!? なんであの子の叔母さんが俺の事応援してくれんだよ、おかしいだろ? 俺恨まれたりする立ち位置じゃねーの?? 結局俺、昨日からルスの前で泣くばっかだしさぁ。 ほんっっと何一ついいとこねーよなぁ。 ……だからせめて、それは俺にも手伝わせてくれよ。 なんか泣き落としに近かった気がするけど、もう何でもいい。 とにかく今夜は、ルスが出なくなるまで帰さねーからなっ。 ベッドに寝かせようとしたら、ルスは、それじゃ俺が前屈みになるだろうと譲らなくて、結局俺達は横向きに寝て向かい合った。 なんかこれはこれで……、顔が近くて照れるな。 いや、落ち着け、俺は今まで女性達を昼だって夜だって華麗にリードしてきたじゃないか。 ……っつっても違うんだよな。 俺に惚れてた彼女達と、俺が惚れてるルスじゃ、全っっ然違う。 俺をうっとり眺めてくれてた彼女達をリードする事は簡単だった。 けど、ルスの場合、俺の方がちょっと気を抜くとルスに見惚れてるからな。 ……うん。やっぱ無理だわ。 だって今も俺、ルスの黒い瞳から目逸らせねーもんな。 俺の事、ルスが見ててくれるだけで、なんかもう俺幸せ過ぎて死ねるな……。 「レイ?」 優しい声。ちょっとだけ笑ったようなルスの気配。 次の瞬間、ルスは俺の額に口付けていた。 「あんまり見つめられたら照れてしまうだろう?」 「……っ」 照れていーよ! 俺、ルスの照れ顔もっと見たいし!! ルスの唇がゆっくりおりてきて、俺の瞼に口付ける。 そっと離された唇に俺が瞼を開くと、ルスの黒い瞳が俺を見ている。 黒い瞳は俺をじっと見つめたまま、愛しげに細められた。 「お前の青い瞳は宝石のように美しいな。じっと見ていると、吸い込まれてしまいそうだ……」 「……お……っ、おまっっ……!!」 言葉はうまく出ないのに、俺の顔だけは正直に真っ赤になる。 そんな俺を見て、ルスはほんの少し照れ臭そうに、幸せそうに、微笑んだ。 っぁぁぁあああああ、何だよこれ!! 両思いっぽくねぇ!? なぁ、ルスも俺のこと好きっぽくねぇ!? いや、なんだ? 別に俺、ルスに好きじゃ無いとか言われてねぇよな?? 好きだって言われてないだけだよな。 もしかして、結構脈あんじゃねぇ?? 俺は高まる期待に背を押されるように、ルスに手を伸ばす。 ルスは、俺がその顎に指をかければこちらを見つめ、その顎を引いて俺が顔を近付ければ素直に目を閉じた。 俺はルスに受け入れられている。その事実が堪らなく嬉しい。 ルスの厚い唇を舌先でなぞり、その内へと舌を挿し入れると、ルスはそっと口を開いて応えた。 喜びに胸が震える。 内側へ迎え入れられるままに進むと、柔らかい舌がそっと絡み付いてきた。 ぞくりと背を這う甘い熱に、頭の芯が痺れる。 「……っ」 俺はルスの口内を余す事なく撫で上げる。 これらが全て、俺に許されていることに、この上ない喜びを感じながら。 ルスの舌を根元から丹念に舐め回すと、ルスが小さく息を漏らした。 「ん……」 ……ルスの息が熱い。 俺を受け入れ、感じてくれるこの男が、俺は愛しくてたまらない。 腕を伸ばしてルスの股間に触れてみると、そこは緩やかに立ち上がっている。 そっと愛を込めて撫でれば、俺の愛撫に応えるようにルスの物は力を増した。 喜びに、俺が思わずにやけると、口を塞がれたままのルスがフッと鼻先で笑った。 「……なんだよ、にやけて悪かったな」 思わず、口を離して呟けば、ルスは俺を慈しむように見つめて言った。 「いや、お前は俺のが立つだけでそんなに嬉しいのかと思ってな」 不意に、ルスのあったかい手が、俺の股間を撫でる。 やわやわと揉み込むように触れられて、俺の物が力を増す。 ふ。とルスの笑った気配に顔を上げれば、黒い瞳が俺を見て微笑んだ。 「そうだな。悪くない気分だ」 「……っ、お、俺まで元気にしてどうすんだよっ」 「俺ばかりしてもらうのでは、不平等だろう」 その騎士の博愛と公平の精神は、こんな時に発揮するべきもんじゃねぇんだよ。と喉まで出かかった言葉を、俺は何とか飲み込む。少なくとも、俺がルスに入れるその日までは、その考え方でいてほしい。

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