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え、なんだ、これ。 昨日の事は、無かったことにされる流れか…… ??? いや、だとしたらさっきまですげえ触れてきたのおかしくないか?? 振り返らないルスの前に回り込めば、ルスは頬をほんのり染めていた。 「んん? ……なんか、お前、顔赤くねぇ?」 俺とぱち。と目が合うと、ルスは慌ててその瞳を逸らした。 ……どういうことだ? 「……悪い。その……。お前を見ていたら、昨夜の事が思い出されて、だな……」 ん? あ!!!??? 「もしかして、俺見て、やらしい気分になった……て、ことか?」 そろりと手を伸ばして、ルスの股間を撫でれば、そこはじわりと熱を持っていた。 まじで? まじでか! なんだこれ、すげえ嬉しい!!! 「触るんじゃない。帰れなくなるだろう」 「そうだよなぁ。顔の割れてる中隊長が、朝っぱらからこんなにおっ立てて、街中歩くわけにいかねーもんな」 言いながらも、俺はそれを繰り返し撫でる。 服の中で、むくむくと立ち上がるこれは、俺に反応してるんだ。 他の誰でもない。俺に、ルスは欲情してる。 そう思うだけで、俺の内に熱が湧き上がる。 「こら、レインズ、やめろ」 ぐいと肩を掴まれ引き離される。 が、見上げたルスの顔は赤く染まり、小さな黒い瞳は欲を宿して俺を見ていた。 「なあ、俺の内側、綺麗にしてくれた時って、お前、何考えてた?」 俺の質問に、ルスはごくりと唾を飲む。 「お前は……、寝てても、内に触れると小さく喘いで、俺は、寝てるお前を何度犯したいと思ったか……」 「……でも、入れなかったんだ?」 ルスがコクリと小さく頷く。 何だよ、別に遠慮しなくても。俺が寝てたって、突っ込めばいいんじゃねーの? ……まあ、それをしないのが、ルスのルスらしいところか。 「じゃあ、まだ溜まってんじゃねーの? 俺は二度出したけど、お前は一度きりだよな」 俺の言葉に、ルスは困った風に苦笑する。 「まだ時間あるし、今からヤるか?」 俺の弾む言葉に、ルスは静かに首を振った。 「……お前の気持ちはありがたいが、やめておくよ」 そう言って、ルスはゆっくり、深く呼吸する。自分を鎮めるように。 何でだよ……と言いかけて、気付いた。 俺のためだ。 俺が二日酔いで、まだケツも痛いって言ったから……。 「でも……、でも、そしたら、ルスはどうするんだ。家に帰って、一人で抜くのか? せっかく恋人が出来たってのに、そんなの、寂しすぎねぇか?」 俺の言葉に、ルスはキョトンと小さな目を丸くして、それから笑った。 「別に寂しくはない。一人の時も、お前を思ってすると誓おう」 うあああああああ、おっ男前ぇぇぇぇぇぇっっっ。 いやそーじゃなくてだな。えっ、ていうか俺のこと思ってしてくれんの!? えっ、まじで!? いやでも俺のこと想像して、抜ける……のか!? え、俺で抜けるくらい、お前、俺の体で感じてくれたわけ!? 「じゃあな」 短い言葉に、ハッと顔を上げる。 玄関の戸に手を伸ばしたルスの腕を慌てて掴む。 「まっ、待て待て待て待て! そんくらいなら、俺がやるから!」 「いや、いい。お前はゆっくり休んでおけ」 ルスがそっと俺の髪を撫でる。 解いたままの髪の中で、ルスの指が傷痕に触れた。 「痛っ……」 びくりと肩を揺らした俺に、ハッとルスが顔色を変えて手を引っ込める。 「悪い…………。お前、まだその傷は痛むのか……」 「ああ、いや、何箇所かだけな。触らなきゃ、まあ……」 天気の悪い日にも、痛むけどな……。 お前が気にするだろうから、言いたくなかったんだよ……。 「そうか……。それでお前、俺の傷に触れる時、痛くないかと繰り返したんだな」 ルスが、納得したというような顔で俺を見ると、傷の無い側頭部を優しく撫でた。 ルスの温かい手がするりと降ってきて、俺の頬を包む。 「レイ……」 小さな黒い瞳が俺をまっすぐ見つめている。 ルスの親指が、ゆっくり俺の頬を撫でている。 「俺はお前が、この世で一番、大切だよ」 ルスの言葉は、嘘偽りのない言葉だった。 好きだとか、愛してるとか、そういうのじゃなかったけど。 確かにこいつは、俺の事が一番大事なんだろう。 それはきっと、俺が気持ちを伝える前から、変わらなかったんだ。 そして今、俺の気持ちを知って、それを受け止めて、それでも。 俺のことが一番だって、言ってくれたんだ……。 胸がいっぱいで、言葉が出ない。 「…………ルストック……」 その名を呼んだら、涙が溢れた。

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