みらいロボットの夢
エピソード5 第2話 立ちはだかる敵

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 ロボット法の改正は、 今川が、社長を務める会社「ゼウスニア」にも大きな影響を与えた。 ゼウスニアの製品を開発しているロボテクス研究企画室に、 違法製品の調査という名目で監査が入ったのだ。 介護ロボットROBO太郎AZの事故で目をつけられたらしく、 ロボットメーカーのどこよりも早く監査が入った。 問題のROBO太郎AZは、 新たに開発されたROBO太郎Wのおかげで 無事にボットウィルスの除去を終えた。  監査が入った日の午後。 今川は、ロボテクス研究企画室のスタッフから 今川に会うため客が来たとの連絡を受けて、 ロボテクス研究企画室へ向かった。  今川を待っていたのは、 産業ロボット国家戦略プロジェクトチームの 有識者たちにより結成された JAPANロボットプロジェクトチーム室長を名乗る韓国人女性であった。 「シン・ヤンミョンと申します」    シン・ヤンミョンがあいさつした。  国家プロジェクトを率いている人物とは思えぬ細身の美女。 知的な雰囲気の中に、大人の女性の色気を感じさせた。 「社長の今川空雅と申します」    今川もあいさつした。 「よろしくお願いします」     シン・ヤンミョンが微笑んだ。 「ところで、監査の結果は、いつごろ、教えていただけるのでしょうか? 」    今川が訊ねた。  今川は、シン・ヤンミョンが、 想像していたより話しやすそうな女性だったので安心した。 「介護ロボットの件もございますので、 研究企画室にある在庫をすべて引き取らせていただきます。 今後、ロボットの開発・製造は、政府の認定を受けた 検査員の下で行っていただくこととなります。 社長もそのつもりでお願いします」    シン・ヤンミョンは早口でまくしたてると、 ヒールのかかとを響かせながらどこかへ歩いて行った。 「今の聞いていたか? 」    今川は、マジックミラーの向こうにいる磯屋に訊ねた。 「はい。大変なことになりましたね。 政府の監視付となると決められたものを 決められた数しかつくれなくなるということじゃないですか? 」    磯屋が答えた。 「しばらくは、がまんして従うしか他にない。 そのうち、風向きが変わるかもしれない」    今川は、現政権下では、ロボット技術の発展はきびしいと思った。  

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