ヘヴンスターズ
27. 昔むかし

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 ――昔むかしあるところに、光みたいな野球選手がいてね。  いつかもし、セブンスターの話をすることがあれば、そんな風に始めてみたいと思っていた。でも十年近く経ち、いざそれが言葉になったとき、俺の口から現われたそれは思っていたものとは全然違った。俺はセブンスターのことを忘れようとしているんだろうか。それは不思議と寂しくなくて、そういうもんなんだろうなあ、と思うだけだ。生きるということも、死ぬということも。俺がセブンスターのことを思い出すとき、いつもそこにはふたつのクロスプレイが見える。体を重ねたそれを思い出すとき、俺はセブンスターとセックスをしたのかしてないのかすらも曖昧になる。  誰にだっているんじゃないか。したのかしてないのか分からないような相手が。誰にだってあるんじゃないか。したのかしてないのか分からないようなセックスが。きっと、ララにだって。  それが「生きる理由」なんじゃないのか。

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