まがきのほらのあな
掛け合いセリフ『 勝敗 』

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二人:最初はグー!じゃんけんポン! 女:やった!勝ったぁ!! 男:あぁ~、もう。また負けたよ。 女:だから言ったでしょ?私には勝てないって! 男:んでも、一回くらい勝てるかなって思うじゃんか。 女:無理無理!だって、○○分かりやすいもん! 男:そんなに? 女:うん。丸わかり。何回やっても絶対負けない自信あるもん。 男:いやいや、絶対なんてこの世にないから。 女:そうかなぁ?だって、こうやって勝ち続けていけばいつか絶対になるでしょ? 男:でもさ、絶対ってどこまでいけばそれが絶対だって証明できんだよ。 女:うーん、誰よりも長くこの勝負を繰り返し続けていればいいんじゃないかな。 男:誰よりも長くって? 女:今、この世界にいる誰よりも長生きして私が○○に勝ち続ければ絶対っていっていいんじゃない? 男:いや、それこそ無理な話だろ。新しい命が生まれ続けるなかで、誰よりもってのは永遠じゃん。その前 に俺たちは死んでるっての。 女:まぁ、そう考えるのが普通だよね。 男:なに、それとも超能力でも使えんの?俺が勝てないのもそのせい?なんて。 女:あー、実はそうなんだよね・・・。 男:え、まじ? 女:って言いたいところだけど、単純に○○が分かりやすいだけ。超能力もってんなら、こんなことに使わないし。 男:だよなぁ、持ってるわけないわな。じゃんけんしてるだけの暇な大人だってだけだしな。 女:ちょっと、一緒にしないでよ。私は暇じゃないけど、○○に付き合ってあげてるだけ。 男:そういって、毎回来るくせに。 女:でも、暇じゃないんだって。暇をわざわざ作ってきてるの。 男:はいはい。どっちでもいいけど、今度こそ俺が勝つ。 女:そう言って、自分が勝ったことないのに気付いてる? 男:くそぅ、次こそ勝つからな。じゃんけん・・・ 二人:ポン! 男:あぁぁあ!また負けた~!!なんでだよ~! 女:あっはは、だから勝てないって言ったのに。 男:俺ってそんなに分かりやすいのか・・・? 女:うん。少なくとも私からしたらね。 男:もう俺に対しては絶対を使ってもいいような気がしてくる・・・。 女:急に自身なくすじゃん。 男:そりゃ勝率0%だからな。 女:もしかしたら、次勝てるかもよ?負ける気ないけど。今更、負けたくもないし。 男:むかつくなぁ〜。 女:ねぇ、さっきの話だけどさ。私の言う絶対って、今はまだ不確定なものでしょ? 男:うん? 女:いくら、○○が私が勝つのは絶対だって受け入れたとしても、この先の勝負で負けるかもしれない未来は除外できない。 男:まぁ、そうだな。口で言っただけだし。 女:それって、絶対じゃないよね。明らかに。その言葉を使った望みでしかない。 男:まぁ、いいんじゃないか?結局、確実なものにできないことに変わりないんだし。 女:うん。だからさ、絶対にしたいなら自分でそうすればいいなって思ったの。 男:どうやって? 女:えっとね、私も○○も今この場からいなくなっちゃえばいいんだよ。 男:え? 女:そうすれば、私と○○の勝敗は絶対になる。私が勝ち続けて、○○が負け続けた結果が絶対になる。 男:つまり? 女:誰よりも生きてそれが残せないのなら、誰よりも早くこの世界から消えてそれを証明にしてしまえば いい。 男:それって、ようは死ぬってこと・・・? 女:簡単に言っちゃえば、そうだね。 男:おいおい、冗談言うなよ。つか、このジャンケンもさして意味はないだろ。 女:意味、かぁ。そうだな、勝った人にご褒美があってもいいんじゃないかなとは思う。 男:今までそんなこと一度も言ってこなかっただろ。そもそも、このジャンケンに暇つぶし以外の理由なんて・・・ 女:だから、ご褒美って理由を作っちゃいけないなんてルールないでしょ?いいじゃない、その方が楽しいし。 男:はぁ・・・。あんまり高いものはやめてくれよ。俺、薄給なんだからよ。 女:大丈夫。お金はかからないから! 男:んで、なに? 女:今まで勝った分、合計していいよね? 男:ああ、いいけど。 女:そっか、よかった!私ね、ずっと絶対にしたかったの。ちゃんと、○○と私だけの絶対に。この勝負 が一番の繋がりであるなら、この瞬間を永遠にすればいい。 男:ちょ、お前どうしたんだよ。そんなまじな顔でふざけてんのか? 女:ううん。私はずっとこうだったよ。○○が一回でも勝ててたら、違ったかも。・・・まぁ、無理だっただろうけど。 男:おい、おまえ、なにを・・・! 女:ねぇ、これでこの世に絶対があるって認めてくれるよね?

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