あぁ、俺はもうこの世のもんじゃないさ。 俗に言う幽霊ってやつだ。 最期に別れの挨拶もできなかったからよ。 だってお前、いきなりズドン！だもんなぁ。 そんなに俺が邪魔だったか？ けどよ、俺もやられっぱなしは好きじゃねぇ。 売られた喧嘩は買わせてもらう。 幽霊がどうするよってか？ ･･･笑っていられんのも今のうちだ。 俺はさ、幽霊は幽霊でも悪霊の部類でよ、それに加えてちと特別なことができるんだ。 いやいや、流石にこの体でお前に鉛玉ぶち込むなんざできっこねぇって。 あとな、俺を撃とうとしたって無駄だぜ？ 理由は分かるだろ？肉体は一つとないからな。 まぁ落ち着けよ、俺ができんのはお前の体を乗っ取ることだ。 取り憑くって言ったほうが分かりやすいか？ そうしてお前をお前自身に殺させれば一件落着ってわけだな。 ･･･卑怯だって？ お前がそれを言うなんて、悪いジョ一ョークだよな？ 人の寝込みを狙っておいてそれはないだろ。 じゃ、そろそろ俺に与えられている時間もないんでね。 運が良ければ、冥土でな。 今度はちゃんと真正面からやり合おうぜ。