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「あの……どうでした……?」 「な、何がだ……?」  俺はゆっくりとザドキエルの前に立ち上がる……。 「初めてのキスどうでした……? 私も初めてでしたが……」 「うっ、うわあああああああ⁈」  俺は頭を抱え込み再び地面に膝をつきもだえる……。  じ、事故だ……。  これは交通事故なんだっ!  はっ! そ、そおいえば……。 「あのザドキエルさん……?」 「……やださっきみたいにエルって呼んで……?」 「やっかましい!」  俺は顔を真っ赤にしながら怒鳴り散らす! 「それなんだけどさ……。いつの間に俺はここに戻ってきたの?」 「んー……。崖を上り切って地面に落ちた瞬間ですねえ……」 「え? じゃあもしかしてさっきのエルは……?」 「はい! 私です!」  てへぺろするこの天使……いや悪魔だなコイツ……。  私ですじゃねーよ!  もういいっ! 大事なことは気持ちの切り替えだ。 「あとな、もう一つ気になることがあってな」 「はい?」 「今回の試練では俺のこの剣、折れなかったんだよ」 ああ! そりゃそうですよ! あの剣にヒビを入れたの私ですもん!」 「……は?」  俺は衝撃の事実に目をパチパチさせて驚く……。 「……ど、どうして?」 「仕事ですから!」 「は?」 「ここに連れて来るために仕方なく……」 「仕方なくじゃねーよ! お前が俺を殺した犯人じゃねーか!」 「真犯人はシーエムの後!」  後ろを振り向き、明後日の方向をビシッと指さすザドキエル。 「わけわかんねーこと言ってんじゃねーよ! 何回も言うが犯人はお・ま・え!」 「ばれちゃいましたあ!」  てへぺろする馬鹿天使。  「ばれちゃいました」じゃねえ、てめーでゲロってんじゃねーか!  も、もういいっ! こうなったら早く試練をクリアし、ここをサッサとでよう……。 「おいザドキエルっ、次だ次っ!」 「はーい! 私もこのコントにもう飽きたしと思ってたところなんですよねえ―!」  ……。  俺は心の中でぐつぐつと沸き起こる黒い何かを抑えながら、悪魔天使ザドキエルに手を引っ張られ、次の試練に向かうのだった……。

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