The Heart of the Tree
9 平凡な月曜日の朝

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 翌日の月曜日は当然のことながら普通に学校があった。自転車で学校へ行き、テニス部の朝練に参加する。大会直前の期間は大会出場メンバーの朝練を自由参加としているため、メンバーの半数は参加していない。  俺は生活リズムを狂わせたくないことと、キャプテンとして大会に出場できない部員も含めて面倒を見てやりたいとの思いもあって朝練に参加した。まあ、俺の場合には榎さんからパワーを貰えるので、余程強い練習をしない限りは疲労の蓄積を心配する必要は無いという事情もある。  昨日は動物園をたくさん歩き回ったが、部活の練習と比べればその運動量はたかが知れており、木の精霊からパワーを貰わずとも疲労は全く感じない。そのため普通に練習をしてもかまわないのだが、俺は後輩部員達の練習のサポートをメインで行い、自分の練習は準備運動程度で終わらせた。  今、無理をしないのは疲れが残らずとも、怪我が怖いという側面もある。榎さんのお陰で怪我はしにくいし、もし怪我をしても回復が早いという事情もあるが、骨折をすれば絶望的だし、捻挫や肉離れであっても、程度によっては大会までに治らない可能性もある。  俺はテニスが大好きだが、プロになれる器では無いことは自分が一番良く分かっている。中学からテニスを始め、高校で榎さんと出会ったお陰で県内トップレベルの選手にはなれたものの、全国で活躍できるレベルには程遠く、プロなんて夢のまた夢だ。よって、本格的にプレーをするのは高校限りと決めており、その後は趣味として楽しむつもりだ。  榎さんから校舎までは少し距離があり、授業中に榎さんのサポートを受けることはできない。もっとも、勉強に関してもテニスと同じく、榎さんは俺を魔法で天才にすることはできないので、実力を付けようと思えば自分自身が努力をするしかない。  もちろん勉強をする場合にも、木の精霊のサポートを受ければ、気力と体力が充実するので相当に有利ではある。しかし、俺の場合、勉強に関してはテニスほどは夢中にはなれず、半ば仕方なくやっている感がある。将来の目標が明確に定められ、それに向かって勉強するのであれば、もっと頑張れると思うのだが、残念ながら俺の将来の目標はまだ決まっていない。  医者、弁護士、科学者、警察官、ベンチャー企業の社長等々、過去に興味を持った職業はたくさんあるが、残念ながら、どれも一つに絞ってまっしぐらに頑張ろうと思うに至っていない。理系か文系かも絞り切れていない状態なので、気が変わっても路線変更が容易だろうという理由で理系を選択している状態だ。  一応、地元の国立大学にぎりぎり合格できる程度の偏差値はキープしているので、気が変わらない限り、地元国立の受かり易い学部学科を受験するだろう。その理由は、教員を目指している茜が地元国立の教育学部を志望しているからに他ならない。

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