向日葵みたいに君が好き
《小学二年生》第八話
僕も誰も謝っていないから、喧嘩でもいじめでもないけれど、僕はそれからしばらく揶揄いつづけられることとなる。 ゆらは鈍感なのかなと苛立ちを覚えることもあった。それともわざとなのかななんて思ってしまいそうになる。 その頃のゆらは、僕がどこに居ても見つけられそうな勢いで「つかさくん!」と誰よりも早く僕のところにやってくる。 よう太は前に言っていたようにゆらを揶揄うことはしない。 他のみんなもそうだ。 ゆらがいる時も僕を揶揄わない。 他の女の子がいても揶揄わない。 まるで男子の秘密のように、男の子だけになると賑やかに針のむしろにされてしまう。 こういうことをされるのが嫌いな僕は、家に帰っては母さんと父さんに癇癪のように吐き出して、けれども「先生に言ってあげようか?」と言われると断った。 うっかりゆらが嫌な思いをしてしまったら嫌だ。
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