恋愛ランキング(週間)

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140度の彼方で、きみとあの日 見上げた星空
 昭和19年4月、日本のほぼ真南にあるニューギニアという島は、戦場だった。そこには、大好きな、泣ける戦争映画の「戦って散る美しさ」なんかどこにもなかった。  それは…………死の行進としか表しようがないものだった。ろくな装備もなくて、泥にまみれてただ森の中を敵から隠れながら歩くだけ。それだけなのに、仲間がどんどん死んでいった。  ある人は、お腹を壊しただけで死んだ。またある人は、マラリアで。そしてまたある人は増水した河の濁流に飲まれて死んだ。せめて敵と戦って死にたい、そう言ってみんな死んだ。  何も食べるものがなくなって、手当たり次第に草木を口にしてもがき苦しんで死んだ人。怪我が元で熱を出し、雑草すら食べられずに弱って死んでいった人も……。  勝機がまたやってくると信じて、生きて味方と会うために、隠れて、隠れて。生き残ったあたしたちは、食べられそうなものなら何でも食べた。雑草でも、虫でも、何でも。  戦争は、美しくなんかなかった。  戦争は、かっこよくなんかなかった。  ただ、暑くて、寒くて、臭くて、痛くて、お腹がすいて、疲れて、辛くて、悔しくて、悲しくなるだけだった。  そして戦争は……。  あたしの初恋の人さえも、容赦なく連れ去った――
寿すばる
2020/10/01 03:54
恋愛
完結済み / 全19話
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君のいる場所 
『花に纏わる、少し切ない純愛物語』 この物語の主人公である橋本哲也は、大学1年生の春、後藤幸恵という女性と出会い、人生で初めての恋愛をする。大学生活のほぼ全てを彼女と過ごした彼であったが、卒業を間近に控えた大学4年の1月に、突然彼女から別れを告げられる。その本当の理由を知らずに社会人になった彼は、5年が経ったある日、会社の同僚との旅行中に訪れた新潟で、偶然出会った幸恵の妹の加奈から、幸恵が既に亡くなっている事を告げられる。そして、哲也は幸恵の死の原因を知る為に、再び新潟の地を訪れ、そこで加奈の口から幸恵の別れの言葉が偽りであった事と、真実を記す幸恵の日記を渡される。それを読み終わった時、彼は事実に気付かなかった自分を責め、深く後悔する。そして、哲也が幸恵の墓が建つ野原で、彼女の好きだった雪椿の花に気づいたその時、一度目の奇跡が起きる……。 ※いつかは小説を書いてみたいと思いながらサラリーマン生活をしてましたが、不意に、この物語の筋書きが頭に浮かんで書き始め、これが私の初めての作品となりました。最後のシーンは、少しでも読者の皆様の心に残ればと思い、何度も改稿を重ねました。よろしくお願いいたします。
浅見とも
2020/10/31 13:06
恋愛
完結済み / 全49話