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理葬境
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 戦の時代、小国同士が争い陣地を広げていたような頃の物語――  大国を築いた国王は飢饉により多くの民を犠牲にした。納税を厳しくした結果、民たちは苦しみ死んでいった。一方、王城や城下町で暮らす人々にはきちんとした食料が分け与えられていた。  飢饉は収まらず、国王は大臣達に何か案を出すように命じる。そして、一人の大臣の案が採用され、数ヶ月、数年後には何とか持ち直すことが出来た――  この物語の始まりはここからとなる……。  ある日、国王は息子に自分の寿命が短いことを告げる。  国王が亡くなってから、町や村では「悪夢」という得体の知れないものが噂されるようになった。  大臣の一人、剛昌は急死する前の国王の異変に気が付き調査を進めていく。  側近である忍びの泯との過去を振り返りつつ、村の壊滅の任務を依頼。燃える村を眺め悲しげな表情を見せる泯。  村の消滅により、悪夢・呪いの類は消えたかに思えたが、泯と大臣である火詠の容態が悪化。寺の大僧正である海宝へと助けを求めにいく決心をし、大臣の翠雲、剛昌、火詠は海宝の元へと向かう。  寺の僧正である陸奏が一緒に話を聞いたあと、火詠を休ませるために連れて行った。そして、残っていた翠雲と剛昌に対して海宝は自身の過去の話を口にする。  海宝は呪いの元凶を沈めるべく、陸奏との「最初で最後」の旅に出た。  国中の村を周り祈りを捧げていく二人。そして最後に向かうは剛昌と泯が壊滅させた村。  終わりが近い事を悟りつつも、海宝は今ある時間を大切に過ごす……。  これは理弔と呼ばれる村が出来るまでの物語……。  登場人物たちの過去からこの先に待ち受ける未来までを描いた儚き物語……。  そして、この物語の本質は登場人物たち全員が主人公となり「死者の為に紡ぐ物語」であるということ。