歴史・時代の作品

一式陸攻戦記 / Brave-1
「二度目の原爆投下を阻止することができなかった」と祖父が戦後の生涯ずっと持ち続けていた悔恨の念。 開戦から終戦までを駆け抜けた、一式陸攻とその搭乗員 磯崎敬造の戦いを、緻密な構成でリアルに立ち上げていきます。 「これから、もしまたこの国が国難に見舞われたとしても、日本は絶対に負けません。日本人はけっして諦めません。耐えて耐えて耐え抜いて、必ず立ち上がって、立ち向かって、最後には必ずやり遂げるはずです。私は信じております。――」 太平洋戦争で幾多の戦闘を生き抜いてきた磯崎敬造が、現代の日本人に残したメッセージを、コロナ禍に揺らぐ今こそ、受け取って欲しいと願っています。 そして本作の終章では、本来は、東南アジアに戦線を限定すると国策で決定されていた「大東亜戦争」を「太平洋戦争」に拡大し、日本を原爆投下と無惨な終戦に引き込んだ山本五十六の戦争責任を検証していきます。 【あらすじ】  ある地方都市の私立大学で、英文学の准教授を務める磯崎のもとへ、突然届けられた一本の古びたカセットテープ。  それは、三十年前、地元の新聞社が生前の祖父を取材した、インタビューの録音だった。  そこには、生前の祖父が、家族の誰にも打ち明けることのなかった、壮絶な戦争体験が語られていた。  磯崎も磯崎の父も、「じいさんは、戦争中、海軍の飛行機乗りだった」としか聞かされていなかった、祖父の戦争体験。  テープのなかで、祖父は、長崎への原爆投下を、自身が阻止できなかったことを嘆いていたのだが、東北の太平洋沿岸の三沢という小さな町で終戦を迎えたという祖父と原爆投下に、いったいどんな関係があったというのか?  テープを聞き進めるうちに、磯崎の胸に湧き上がる数々の疑問と興味が、彼を、祖父の戦争体験の足跡を辿る調査の旅へといざなっていく。  テープを聞き終えた磯崎は、一式陸攻搭乗員であったという祖父が終戦を迎えた地である、三沢へと向かうのだった――。 ログインしてない「読み専」の方、コメントやご意見はこちらへ⬇️🤓 https://twitter.com/tatsuta3636
異郷の桜花
 越後国の上菅家に仕える忍び集団「軒猿」。そのひとりである菊池佐之助はある日、上杉家の軍師と名高い宇佐美駿河守定満にその才を買われ、彼個人の隠し忍びとなる。  上杉謙信と因縁のある武田信玄との戦。川中島を舞台にした四回目の合戦は目前に迫る。武田が築城している海津城の見取り図を手に入れた、兄弟弟子にあたる忍びは武田の忍び(三ツ者)の手にかかる。  佐之助は兄弟弟子の仇を討ち、武田の軍師、山本勘助が編み出した啄木鳥戦法の全貌を盗み聞きし自軍に持ち帰る。啄木鳥戦法の裏を掻く形で始まった第四次川中島合戦。  時は流れ、謙信の後継者を巡って陰謀が巡らされる。宇佐美駿河守定満は、我が身に代えてその陰謀を阻止する。軒猿でありながら真の主君と仰いだ宇佐美駿河守定満の死を受け、慟哭を隠せない佐之助。しかし定満の遺言には、自分の代わりに上杉家の行く末を見届けて欲しい、とあった。  やがて謙信が病臥し、二人の有力な養子たちによる後継者争い――御館の乱が勃発する。上杉景勝に味方した軒猿たちは、北条家出身の景虎に味方すべく出陣してきた武田勝頼の足を止めるべく動く。    第四次川中島合戦から御館の乱までを駆け抜けた、一人の忍びの生き様を描く。