怪現象により、夜の校舎に閉じ込められた五人の男女。そこに現われたのは、子供向けアニメのキャラクターに過ぎないはずの正義の騎士・ラビットナイトだった。
「またせたね。つきよのきし・らびっとないとが、わるいやつをたおしにきたよ」
ラビットナイトは、そう宣告する。その手に握られたレイピアは、〝悪い奴〟を刺し貫くために存在する。
復讐に燃える少女、天野美玖。
金のために体を売る少女、鷺沼緋芽。
道ならぬ恋に身を焦がす少女、宇佐美杏奈。
生徒達を家畜の如く見做す教師、根岸幸太。
そして謎めいた退治屋、信濃雄貴。
果たしてラビットナイトが倒しに来た、断罪されるべき〝悪い奴〟は誰なのか。
「悪いのは私です。全部、私が悪いんです」
「私は悪い奴なんかじゃない。お前なんかに、悪いとか悪くないとか、決めつけられてたまるかッ」
「確かに、俺は悪い奴なんだろう。だが……それがどうした?」
五者五様の思惑が渦巻く中、断罪の夜が今、始まる。