中学三年生の久住晴彦は学校でのイジメに耐えかねて家出し、防風林の中の家に住むプロフィール完全未公開の小説家の羽崎薫に保護された。
しかし羽崎の家で一ヶ月過した後家に戻った晴彦は重大な事件を起こしてしまう。
晴彦の事件を捜査する井川達夫と小宮俊介は、晴彦を保護した羽崎に滞在中の晴彦の話を聞きに行くが、特に不審な点はない。が、羽崎の家の林の中で赤いワンピースの少女を見た小宮は、少女に示唆されて、晴彦が事件を起こすまでの日々を夢の中で追体験をするようになる。
羽崎の態度に引っかかるものを感じた井川は、晴彦のクラスメートで人の意識や感情が見える共感覚の持ち主の原田詩織の助けを得て小宮と共に、羽崎と少女の謎の解明へと乗り出す。
彼の選択は幸福への道だったのか、それとも罪でしかなかったのか。
希望と狂気が背中合わせだった者の物語。