ヒューマンドラマの作品

或る箪笥の一生
【第三回ステキブンゲイ大賞応募作品】 概要:代々受け継がれてきた箪笥には、様々な噂が付き纏っているが、確実な話が一つだけ存在している。  それは、箪笥が開くと必ず人が死ぬ、ということ。  呪具とまで言われ一族から忌避されてきた箪笥だが、現所有者である正子だけは箪笥の秘密を知っていた。  所有者は一人。  しかし、来たるべき時が訪れるまでは、触れることも眠っているモノを取り出すことも出来ない箪笥。  新たに受け継ぐ者を選び、口伝すれば所有していた者の役目は終わる。  だが、抽斗の中には大切なモノが貯められているのだ。  あの世に持っていけるのかも、この世で使い果たせるのかもわからない箪笥の中身。  貯められていた〝何か〟を手にしたとき。  人は何を感じ、何を思い出すのだろうか。  これは時代を繋ぎ、人々を見守ってきた、失われたときを与える不思議で温かい箪笥の物語である。 キャッチコピー:その時が訪れるまで、あなたの心を留め置きます。 PR:言葉や想いというものは、曖昧で不確かな反面、人との繋がりにおいては必要不可欠なものである。だが、生きていくうえで“真に必要モノ”ですら、人は口にするのを躊躇ってしまう。この物語は心の奥に秘めたモノや隠さなければならなかったコト。誰しも一つはあるそのような点を通して、己や他者との向き合い方を考えるきっかけとなる作品です。