SFの作品

皇女と候補生と航宙軍艦カシハラ号
【あらすじ】 辺境宇宙エデル・アデン星域の覇権国家たるミュローン帝国が、突如として星系同盟の自由都市テルマセクを侵攻した。同市を訪問中にこの異常事態に遭遇した星系同盟航宙軍の練習艦カシハラが、同市に留学中であったミュローン皇女を保護したことから物語は始まる。 帝国内外の様々な人々の思惑と謀略の余波から皇女は唯一人の皇位継承権者となり、混乱の最中に艦長以下の正規乗組員を失ったカシハラは、皇女を乗せ帝都へと候補生だけで艦を発進させ帝国軍の包囲からの突破を図ることとなる。 追尾する帝国軍の装甲艦をからくも排除し、宙賊の本拠地では駆け引きを繰り広げ、淡い恋をし、大事な人を失い、それでも候補生らは帝都を目指す。彼らの故郷、星系同盟のオオヤシマは表裏を使い分け、カシハラの航宙に有形無形の影響力を行使しつつその行末に注目する。 一方帝国の中枢も決して一枚岩ではなく、皇女を廃せんとする『第一人者』の閥と皇女を迎え入れようという王党派に割れていた。帝国内の主導権争いも水面下で激化していく。 帝国と同盟、双方の動きに艦内が揺れ動く中、王党派との接触に成功した候補生らは皇女を王党派の艦に託し、自らは強大な帝国軍を帝都上空から誘引するための囮となることを決断する。 その目論見の通りに彼らは帝国軍の主力艦を吊り出すことに成功し、皇女の帝都入りに一役を買うことになる。王党派と候補生らの尽力により、皇女は新皇帝として戴冠した。 そしてカシハラは、星系同盟より事態の帰趨を握るべく派遣された航宙軍と共に、強大な帝国艦隊を前に最後の戦いに臨むこととなる。 壮大で長大な遠い未来の宇宙の歴史──。その一エピソードを切り取った七週間の青春群像劇。旅の中で若者たちは成長し、世界はほんの少し変わる。
マーチバース! ~多元音響、ここ(そこ)にあり?~
 一八才の新進気鋭ギタリスト浮綿 阿衣(ふわた あい)は、ひょんな事から〝思界(しかい)〟という不思議な力を与える男と出会う。  思界を持つ者を集めグループを作っているという男の手引きにより、阿衣もその力を手に入れる。  さらにはグループにも加わり、そこで部活のような活動をする事に。  はじめは面倒としか思っていなかった阿衣も、ちょっとした秘密の遊び程度に楽しめる様になっていく。  ある日、そんな秘密を知った一つ年下のいもうと夢吽(ゆう)に、思界が欲しいとねだられる。  二〇一九年、二月二〇日。阿衣にとって大きなライブがあるその日に、夢吽は思界の力を貰うべく、仲間の元を訪れる。  だが、そこで夢吽は大きな事件に巻き込まれ――  遊びにしか思っていなかった思界の力。そこに潜む危険性、戦いの影。  日常と非日常を行き来する日々の中で、遊びだけでは済まない、界の実態に直面する阿衣と夢吽。  やがて二人は、呪いにも似た〝ある約束〟を交わす事になる。  別世界から空間を流し込み、一部エリアを拡張する〝S4〟機能が試験導入された都市。そこを舞台にした、音楽、日常、SFが混じり合う現代ファンタジーが今、この世界に流れ込む! ※基本は三人称。主人公がメインの話の時は一人称視点で書いています。