SFの作品

グリーン・ガール
ゆりかごのうさぎたち
ゆりかごという孤児院しかない断崖島でナナは育った。ここには約百三十人の子どもと、先生などの管理者しか人はいなくて、あとは放し飼いにされたたくさんのうさぎだけ。子どもたちは共同生活を営み、学び、そしてうさぎへ餌をまく。七歳になるとうさぎを捕獲し屠殺する。そうして子どもたちはいのちを学ぶ。 そんな奇妙な授業を受ける子どもたちは、各々が個別のタイミングで通知を受け、陸へ出てゆき、〝新しい生活〟を送る。それまではゆりかごで暮らし、勉学に励み、いずれは下の子たちの世話や勉強をみてやったり、調理の補助に就いたり、絵が上手な子にかんしては才能を磨いたり……ひとりひとり個性に見合った役割が与えられ、穏やかな日々を過ごしてゆく。十七歳のナナはそのひとりで、彼女は幼児たちのお世話係に就く。 ある日、同い年のルームメイトであるマリアに通知が来た。彼女は七日後にゆりかごを出てゆく。子どもたちは陸について何も知らないが、強い憧れをいだいていた。マリアも例外ではない。ナナはそんなマリアを見るのが嫌だった。うらやましいわけじゃない。ナナだけは陸での〝新しい生活〟に不安をいだいていた。はっきりとした理由はないが、心がもやもやとうずくのだ。 (この先、通知が来たとき、わたしはマリアみたいに喜べない……) 隔離・監視・管理された孤島。うさぎを用いた生死の学習。知らされない謎多き陸と〝新しい生活〟。異質な環境で暮らす子どもたちは、それぞれ夢を描いたり、恋をしたり、未来をキラキラした目で見つめて幸せに暮らしていますが、物語が進むにつれてナナが抱える心の【もやもや(真実)】が少しずつ明かされてゆきます。切ないSFヒューマンドラマです。 *2021/10/26 本編を加筆改稿しました。
来世.com――西暦2100年、その女は、本当に125歳なのか――【更新版】
125歳とされる伝説の名誉テレクラオペレータ、ナリカ・ハッシネンという女老化身の疑惑の一生を露わにする。人に抗うベテランAI派遣工・ピュリダンのロバが、女性特有のカクシゴトデータのスコッパーとなる。別次元で、四十男ゾロ・ハネタがナリカを探しているが、二人は、偶然と必然の間――偶有性の中で、ニアミスを繰り返すばかり。果たして、仮想幻想テレクラに辿り着き、来世.comへイク(昇天)ことができるのか――。SF✖テレクラ猥談✖️退廃的人生観の女✖️欺瞞。逆転発想のSF世界を四次元プロットで展開。 結末はいくつか用意していましたが、読んでいただいている方が予想よりも遥かに増え、PV数を見ながら、内容も設定も進化し続けながら、ウェブ小説のメリットとデメリットを活かして、日々更新しています。ウェブで更新するデメリットに直面したため、2021年9月6日(月)より、タイトルに【更新版】を挿入し、サブタイトルを追加し、紹介文を変えております。【改稿版】なるものを作成していきます。昨年の星新一賞応募作品をおおまかな原案とし、猥談要素と未来の気配を盛り込みながら、長編化しています。学術論文、専門書、最先端の科学情報を盛り込み、巨人の肩の上に立つというSFの伝統的姿勢を踏襲するにとどまらず、SFを読まない層にも、思わず手に取ってもらえるような、親しみやすい作品に仕上げていく予定です。 ベースは『三世』という作品で、三世共同体という未来的裏稼業を描くものでしたが、なかなか書き進まず、さらに、『三体』という超話題作があることを知り、読破しました。最新刊の下巻のあとがきに『三体』を書いた当初の作者の意図が当方とほとんど同じで、皆さまに読んでいただいていた他サイトの作品構想にも通ずるところが随所に見られたため、勝手に、当方にはSFの才がありそう、と笑いながら、見立てています。これまで斜め読みを含め、閲覧してきた学術的読み物は三百を優に越えて、ようやく、書きながら、融合させることができるようになりました。 【お知らせ】ここのところ更新しておりませんが、日々【改稿版】を公開できるよう非公開で執筆しております。改稿というより、別作品かもしれません。他、新作も同時進行中で、時代物、SF、ミステリー、恋愛と多岐に渡っております。