仕事・企業・政治経済の作品

TIKS(ティックス)
 架空の島国を舞台に、腐敗した三セクの実態に迫る! 小さな不正も積み重なれば……?    太平洋上のハワイと日本のほぼ中間点に位置する北海道ぐらいの大きさの島国である東亜共和国は、インバウンドの恩恵で今や日本と肩を並べる豊かな国に発展している。それが昨年来のコロナ禍によって観光客がバッタリ途絶え、状況が一変————。  国家財政は危機に瀕し、遅ればせながら税金の無駄遣いに対して国民から厳しい目が向けられるようになった。  話の舞台となるのは、国土開発省が大手ゼネコンと設立した東亜インフラ管理サービス株式会社(TIKS)という第三セクターだ。  三月三十日、会計監査院から二月初めに行われた定例監査結果の開示があった。  その中で、国家財政の窮状を踏まえて、交際費支出の大幅な縮減を求める「指摘」のほか、不適正な事務処理に対する三件の「意見・要望」が出され、四月末までに「是正・改善措置」を講じてその旨を書面で報告するよう指示をされる。  これを受けてTIKSでは、監査室を中心に社内改革に取り組んでいくのだが、その過程で新たな不正行為が次々と発覚してしまう。  しかし、そうした事実は社長と副社長には知らされないまま、会社としての「是正・改善措置」は取りまとめられ、会計監査院への報告に先立って監督官庁の国土開発省に提出される。  ところが、その先には予想外の展開が待っていた。