青春の作品

北野坂パレット
毎日更新中。  舞台は神戸・異人館の街北野町。 『高校生になった記念にどうだ?』という酒豪の母・雪乃の訳のわからん理由によって、両親の離婚により生き別れになっていた父・一平に生まれて初めて会う事になったピアノ好きの高校生亮平。   気が付いたら高校生になっていた……というような何も考えずにのほほんと生きてきた亮平が、父親やその周りの大人たちに感化されて成長していく物語。  ある日父親が若い頃は『ピアニストを目指していた』という事を知った亮平は『何故その夢を父親が諦めたのか?』という理由を知ろうとする。  それは亮平にも係わる藤崎家の因縁が原因だった。 それを知った亮平は自らもピアニストを目指すことを決意するが、流石に16年間も無駄飯を食ってきた高校生だけあって考えがヌルイ。脇がアマイ。なかなか前に進めない。   幼馴染の冴子や宏美などに振り回されながら、自分の道を模索する高校生活が始まる。 ピアノ・ヴァイオリン・チェロ・オーケストラそしてスコッチウィスキーや酒がやたらと出てくる小説でもある。主人公がヌルイだけあってなかなか音楽の話までたどり着けないが、8話あたりからそれなりに出てくる模様。若干ファンタージ要素もある模様だが、だからと言って異世界に転生したりすることは間違ってもないと思われる。
ハレ・クール!――私はこの世界の異分子で、だから、跳ぶんだ。
どこにも居場所なんかなかった。あなたに会うまでは。――憧れと初恋と友情で「生きる」が輝いていく。 中学2年生の瀬乃音晴麗(せのお・せいら)は、派手な名前とは真逆に胸まで垂らした髪で顔を隠し、どこにも居場所を見つけられないでいた。 ある日、大道芸をする男子高校生「シショー」と、「パルクール」と出会う。 その出会いが晴麗の世界を変えていく。 ++++++++ ++++++++ ++++++++ ++++++++   空を踏んだ。  抜けるような青と立ちあがる入道雲を私の足がたしかに踏んでいた。  それはほんの一瞬、計ってみれば一秒にも満たないような時間だったのかもしれない。次の瞬間には私はアスファルトに無様に転がっていたのだから。  強打した背中が痛むのを他人事のように感じながら、走り寄ってくるシショーの足音を背中で聞きながら、私は空に向かって手を伸ばす。  あの一瞬。  地面に縛りつける重力から、私は、自分自身の力で自由になった。 「ハレ」  私は大嫌いだった自分の名前をつぶやく。 「あんた、意外とそんなに悪くない」  たぶんあの瞬間が、私が私を許せた、十四年の人生で初めての瞬間だった。 ++++++++ ++++++++ ++++++++ ++++++++   (本文1ページより) *エブリスタ、小説家になろうでも連載しています。
felicita! (フェリチータ) ~アカペラの女神様~
「……一緒に、歌お?」 ──これは、日常と非日常が絡まり合った、あるガールズアカペラバンドの結成と成長の物語。  南西諸島の島、音美(ねび)大島。  高校一年の遠矢桜良(とおやさくら)は、幼馴染の横峯早百合(よこみねさゆり)と偶然再会したことで、合唱に興味を持ち始める。しかし、早百合には何か秘密があるようで、体育祭の時終始浮かない顔をしていた彼女のことが、何となく気にかかっていた。  そんな折、桜良は夢の中である綺麗な女性と出会う。不思議なその人からの助言を元に、後日早百合を黒いもやから助け出すことに成功した桜良は、後日一緒に音楽活動をしようと提案する。  そしてその日の夜、再び目の前に現れた女性が口にしたのは、 「自分は神様で、あなたは『ユラ』という天命を持って生まれた子」だという、あまりにも非現実的なことだった……。  神秘的なオーラが漂う南の島を舞台に、時に笑い、時に泣き、常に全力で青春を駆け抜けた女子高生6人。そんな彼女たちとお茶目な島の女神様が紡ぐ、ちょっとだけ不思議な一年半の軌跡を紹介します。  現実世界が舞台の青春偶像劇ですが、一部ファンタジー要素があります。 【お知らせ!】 ・原則毎日19時更新です! ・劇中ガールズアカペラバンド『Bleθ』(ブレス)は、小説外でも活動予定です!   公式YouTubeチャンネル → ※現在改修工事中 ☆ 素晴らしいイラスト制作者様 → RAVES様 (ありがとうございます!)
君に贈る、最後の物語
 他人との接点を軽視し、執筆活動を中心に生活している学生、新谷一は、文芸部の合宿に対し珍しく気合を入れていた。  伝統のある合宿だが、合宿の説明会の際に沖リオナが中止するべきだと訴え、不穏な空気が流れる。  合宿当日、一の家に合宿に参加するなと脅迫状が届いたが、合宿に対する思いが強い一は合宿に参加する。  玄関を開けると、恋人関係にある望前明菜が立っていた。  恋人関係にあるが、愛し合ってはいない。好きだから付き合ったのではなく、付き合っていれば好きになるのではと恋人になったあやふやな関係の明菜。  そんな明菜が、部外者にもかかわらず合宿についていくと言い出し、退かなかった。  その後、脅迫状が贈られてきたという理由で合宿を辞退した沖リオナに代わり、明菜は合宿の参加を許される。  合宿所は、無人島に建てられたログハウスだった。室内には高価ではないがアンティークな家具や鎧などが飾られている。  合宿初日は、明らかに何かを隠している上級生のせいで殺伐とした雰囲気で終わり、顧問の小野寺と一年生の榎木が殺害され死体で発見される。  自分達の中に犯人がいるのか、部外者が潜んでいるのか分からない状態の中で、一だけが気付いていた。  飾られている鎧の中に、誰かが隠れているのを。