某レコードメーカー主催の、女性ボーカリストオーディションの最終選考。
三咲(みさき)は“あの子”のステージに完膚なきまでに叩きのめされ、こてんぱんに打ちのめされ、前へ突き進む大切な箇所がぶっ壊れた。
壊れたのは、自信?やる気?モチベーション?うぬぼれ?気合?オーラ?
そんなこまごまとしたアレではなく、もっと根本的な箇所が壊れたと感じた三咲の音楽人生は強制終了となった。
父ちゃんとの二人三脚で青春の全てを捧げた音楽を失った三咲に残されたものは、たったひとつ。
それは「頑張る」ことだけだった。
重度の世間知らずのまま社会という野に飛び出した三咲は、子供でもなく、大人でもなく、かといって少女だとも言えない自分自身に地団駄を踏むとともに目標を見つけた。
動け!働け!成長しろ!私は大人の女に…立派な大人の女になるんだ、と。
「大人の女」を目指し、三咲は自分を取り戻すべく全力で奔走する。
※とってもイカした表紙イラストは、イラストACにアップされている『あさひ晃』さんの作品です。ステキねっ!