銀霞(ぎんか)は激怒した。必ずかの愚痴蒙昧な姉・衛幸(えみゆ)を改心させねばならぬと決意した。
姉には隠し子がいたが、八年の絶縁の末に再会したというのに、親子でラブラブしている気配がまったくないのだ。
銀霞には映画しかわからぬ。しかし現実の家族関係には人一倍敏感であった。
銀霞は竹馬の男友達、守雛(まひな)んてぃうすを、近々花婿として迎えることになるとひとりで勝手に思っていた。妄想上では結婚式も間近なのである。
ゆえに、姉と姪の夜祥(よすが)にはかわいい己へのプレゼントを買わせに、ふたりきりでのこのこ街へくり出させ、自らは尾行と監視にかこつけたひなっちとのクリスマスデイツに、勝負パンツはき散らしてどしどしやって来たのだ……
☆カクヨムと同時連載。レイアウトと話数構成が異なります。
※本作の内容は倫理的にデリケートであると思われる場合があります。