#ストーカー の作品

マクデブルクの半球
No Image
※以前投稿したものに手を加え変更しています。  ある日、電話がかかって来た。ただそれだけの、はずだった。  映画業界のスタッフとして働いているミカゲユキの携帯電話に、ある日の深夜、電話がかかって来る。ユキはそれを取ることが出来なかったのだが、後にかかってきた警察からの電話で、不在着信が高校時代自分と折り合いを付けることが出来なかったニノ コウからのものであることを知らされる。ニノ コウはユキに電話をした前後、何者かに階段から突き落とされ転落、意識不明となっていた。  眼を醒まさないニノ コウ。重要参考人となったユキは事件のことを調べはじめるが、その矢先何者かに襲撃を受け、自称在宅ストーカーであるカブラギ トモリに助けられ、彼や頼れる友人たちの手を借りながらユキは警察とは関係ないところで調査を進めてゆく。  しかし、進めてゆけばゆくほど、容疑者は増えていってしまう───ニノ コウの従兄弟でありニノ コウがユキにしていた『虐め』を黙認していた青年、彼の妹でありニノ コウの婚約者、更にその従姉妹の女子高生。……容疑者が一向に減らないまま、ユキはニノの家の澱みに直面してゆく。その澱みをたったひとりで受け止めて来たニノ コウが、果たして何をしようとしていたのかを探ってゆく。  誰かの心を識る度に、全員が怪しく思え、誰も『犯人ではない』という証拠を見せてはくれない。  それでも調べ続けるしかない。誰がニノ コウを突き落としたのかを確かめるまでは。 「犯人を探そう。───出来れば、ニノ コウが眼を醒ます前に」  これは、自他共に認める在宅ストーカーを相棒に、誰かの為に進む、犯人探し。