#三角関係 の作品

夏休みには修学旅行を --彼女をめぐる彼と彼女の物語--
■心安らぐ、優しい物語 陸、美玖、志穂の三人は、中学時代の同級生で自他ともに認める親友同士。 けれども、陸は本当は美玖が好き。 そして、志穂も美玖が好き。 そんな恋心を内に秘めた陸と志穂だったが、中学二年の冬、美玖はある不幸な出来事に見舞われる。 すっかりかつての明るさを失ってしまった美玖は転校し、三人は離れ離れになってしまった。 けれども時が過ぎ高校二年になった夏。 元気を取り戻した美玖は陸と志穂に、かつての生家で一緒に行けなかった修学旅行のリベンジをやろうと呼びかけた。 陸と志穂は、これを機会にずっと温め続けていた美玖への想いを伝えようとするが、しかし亡くなった美玖の祖母が残したあるイタズラにより、二人の計画は狂わされっぱなし。 一方、二人の気持ちに全く気付いていない美玖には、実はいまだに中学時代の心の傷が残されたままだった。 美玖の心を本当の意味で救うためにはどうしたらいいのか。 陸と志穂のどちらかが美玖の恋人になることで、それが果たされるのか。 ひと夏の楽しい時間を過ごす三人の心に、本当の意味で人を愛するとは何かという問いの答えが、少しずつ見え始めてくる・・・。 ■コミカルな展開の中にも、三人のまっすぐな想いが伝わる、読み進めるのが楽しみになる作品を目指しました。 ※第3回ステキブンゲイ大賞に応募したくて、削れるだけ削りましたが(Wordベースでは20万字以下)、無念のギブアップ・・・  けれど文章が引き締まって少しはましになったと思うので、お楽しみいただければ幸いです。
近くて遠い、濃くて薄い
ツイッターから始まる恋ー 音楽ライブへ通うのが生き甲斐の志保はあるバンドのライブへ行くたびに見かける男性のことが 気になり始めていた。 その男性とはもしかしたらツイッター上で繋がっている『このアカウント』なのではないか?と思うもまだ確証が得られないでいたが、その予想を決定付ける場面に遭遇して遂に志保はそのアカウントの人と実際に会うことを決意する。 今では多くの人が利用しているツイッター。それを通じて音楽ライブなどのイベントのレポート、感想をツイートする人も少なくありません。 その中ではもちろん人々の交流も生まれます、ツイッター上で知り合った人と実際に会うなんてことも珍しくなくなってきました。 それこそ好きなバンドのライブ当日に会場で会うというように。 「どこかでこんな事が起きているかもしれない」 そんな模様を作者が想像してリアルに描きました。 作中の登場人物のようにツイッターで盛んに交流しつつ、実際にイベントなどをきっかけに会うこともしているというか方はきっとどこかしら共感できる部分はあるのではないでしょうか? 短編小説なのでサクッと読み終えることができますので是非、最後まで読んでみてください。
小瓶と墓標
 預けきることも、信じきることも、示し続けることも、誰にもーーーー  九歳の夏、由布子は事故で両親を亡くし、祖父母に引き取られ田舎へ越すことになった。  そこは旧家園村が絶大な力を誇る、田舎特有の閉鎖社会。  園村当主の一人息子・幸太に目をつけられた由布子は、そこから全社会から徹底的に爪弾きにされることになる。    そんな中、たった一人由布子を助けてくれた男がいた。  男の名は、園村孝宏。十三も年が離れている上そっけない態度の孝宏に最初こそ警戒した由布子だが、二人は徐々に心を通わせて行く。  孝宏は由布子にとって、祖父母意外に唯一自分をまともに扱ってくれる存在。  けれど、彼に心を預けきることはできなかった。  彼が由布子が姉のように慕っていた叔母・鈴子と婚約手前まで行った仲なのに、園村本家の圧力で引き裂かれた元恋人だったと知ってしまったから。  由布子、孝宏、鈴子。奇妙な三角関係が出来上がってから、少しずつ歯車が狂い始める。  秘めやかに回り出す悪意、底知れずうねる狂気、”園村”という家を縦軸に払い続けられる犠牲。  あと、たった一つだけ。  それだけをやり過ごせたていたら、きっと幸いでいられたはずなのに。  ※改行・空白なしでWord換算約199500文字に収まっています