夏休みには修学旅行を --彼女をめぐる彼と彼女の物語--
■心安らぐ、優しい物語
陸、美玖、志穂の三人は、中学時代の同級生で自他ともに認める親友同士。
けれども、陸は本当は美玖が好き。
そして、志穂も美玖が好き。
そんな恋心を内に秘めた陸と志穂だったが、中学二年の冬、美玖はある不幸な出来事に見舞われる。
すっかりかつての明るさを失ってしまった美玖は転校し、三人は離れ離れになってしまった。
けれども時が過ぎ高校二年になった夏。
元気を取り戻した美玖は陸と志穂に、かつての生家で一緒に行けなかった修学旅行のリベンジをやろうと呼びかけた。
陸と志穂は、これを機会にずっと温め続けていた美玖への想いを伝えようとするが、しかし亡くなった美玖の祖母が残したあるイタズラにより、二人の計画は狂わされっぱなし。
一方、二人の気持ちに全く気付いていない美玖には、実はいまだに中学時代の心の傷が残されたままだった。
美玖の心を本当の意味で救うためにはどうしたらいいのか。
陸と志穂のどちらかが美玖の恋人になることで、それが果たされるのか。
ひと夏の楽しい時間を過ごす三人の心に、本当の意味で人を愛するとは何かという問いの答えが、少しずつ見え始めてくる・・・。
■コミカルな展開の中にも、三人のまっすぐな想いが伝わる、読み進めるのが楽しみになる作品を目指しました。
※第3回ステキブンゲイ大賞に応募したくて、削れるだけ削りましたが(Wordベースでは20万字以下)、無念のギブアップ・・・
けれど文章が引き締まって少しはましになったと思うので、お楽しみいただければ幸いです。