#中編 の作品

或る箪笥の一生
【第三回ステキブンゲイ大賞応募作品】 概要:代々受け継がれてきた箪笥には、様々な噂が付き纏っているが、確実な話が一つだけ存在している。  それは、箪笥が開くと必ず人が死ぬ、ということ。  呪具とまで言われ一族から忌避されてきた箪笥だが、現所有者である正子だけは箪笥の秘密を知っていた。  所有者は一人。  しかし、来たるべき時が訪れるまでは、触れることも眠っているモノを取り出すことも出来ない箪笥。  新たに受け継ぐ者を選び、口伝すれば所有していた者の役目は終わる。  だが、抽斗の中には大切なモノが貯められているのだ。  あの世に持っていけるのかも、この世で使い果たせるのかもわからない箪笥の中身。  貯められていた〝何か〟を手にしたとき。  人は何を感じ、何を思い出すのだろうか。  これは時代を繋ぎ、人々を見守ってきた、失われたときを与える不思議で温かい箪笥の物語である。 キャッチコピー:その時が訪れるまで、あなたの心を留め置きます。 PR:言葉や想いというものは、曖昧で不確かな反面、人との繋がりにおいては必要不可欠なものである。だが、生きていくうえで“真に必要モノ”ですら、人は口にするのを躊躇ってしまう。この物語は心の奥に秘めたモノや隠さなければならなかったコト。誰しも一つはあるそのような点を通して、己や他者との向き合い方を考えるきっかけとなる作品です。
隣人の殺人鬼
「お前には何も取り柄がない」そう両親に言われながら育ってきた『僕』。大学入学を機にアパートで1人暮らしを始めるが、『取り柄がない』故に友人・知人ができず、孤独な生活を送り続けていた。 そんなある日、僕は隣の部屋のドアに鍵がささりっぱなしになっている光景と遭遇。迷った末に置き手紙と共に鍵を郵便受けに入れた僕だったが、少しして隣には誰も住んでいなかった事を思い出す。 一方その頃、巷では連続殺人犯『殺人鬼X』による事件が話題になっていた。その事から、隣の部屋にいる者が『殺人鬼X』なのではないかと僕は疑う。だがその夜、大学から帰宅した僕を待っていたのは隣人からの予想外の手紙で……。 「他者に嫌な思いしかさせられない存在ならば、どうして僕はこの世に生まれてしまったのだろう。」 「なぜ、僕は僕なのだろう。」 『予想』を裏切る真実が明かされた時、タイトルの本当の意味がわかる。 殺人鬼との奇妙な『隣人生活』が『僕』にもたらすものとは――。 (2022/04/12 あらすじ改訂) ※作中に実在する博物館がでてきます。  数年前に作者が実際に訪れた時の記憶をもとに書いているので、現在(2021年6月時点)と異なる点があったらすみません。 ※第二回ステキブンゲイ大賞 一次選考通過作品。選考通過、ありがとうございます! 【6/2追記】1100Views突破!お読みになって下さった皆様、ありがとうございます!