「おはようさん」
(えっ、井口先生?!)
いつものように、水野唯が4年2組の教室のドアを開けると、そこには唯の苦手な図書室の井口哲先生が居た。さらにおかしなことに、他のクラスメートたちは誰も居ない。
そんな中始まった、井口先生との二人だけの授業。
それはいつもの授業とは、一味も二味も違う、特別な授業だった。
内気な小学4年生の水野唯と、両耳にピアスという派手なファッションで、関西弁の破天荒な図書館司書、井口哲との一時の交流の物語。
本作は、エブリスタやカクヨムでもアップしていた著者お気に入りの短編。賞に応募するに当たり、大阪に住む知人に関西弁をチェックしてもらった意欲作です。