#家族愛 の作品

不幸を背負って、親父は笑顔で逝った
 親父が死んだ。有名人でも企業の重役でもない、タダの田舎のお調子者のくそオヤジ。ただ、親父には、家族でさえ知らなかった、「幸せを切り売りする能力」があったのだ――  父親の死後、一対の不思議な芳名帳と日記帳を見つけたことから始まる、「幸せを切り売りする力」にまつわる物語。   第一章 お調子者親父の芳名帳  父親の葬儀の準備をすすめる中、息子である俺は、親父の日記帳と、不可解な内容が書かれた芳名帳を見つける。そこには、親父が家族にも隠していた、ある能力の事が書かれていた。なんでも芳名帳に自分の幸せを与えたい相手の名前を記載すると、自分の幸せを相手に譲渡することができるというのだ。 そんなことをして、親父は、幸せな人生を生きられたのだろうか。 悲しみの底の中で、俺は一枚一枚、芳名帳と、幸せを譲る経緯が書かれた日記帳をめくっていく。 第二章 初恋の相手は金髪頭の「元夫」  自分の幸せを家族のために犠牲にしてきた夫。妻である私は、夫の優しさや思いやりにあぐらをかき、最後の最期に彼を大事にしてあげられなかったことを心から悔やんでいた。  後悔と懺悔を繰り返しながら亡くなった私は、その後の世に、前世の記憶を持ったまま生まれ変わる。  運命の悪戯か、夫の生まれ変わりと再会した私は、複雑な思いを抱えながらも、再び彼に好意を持ち始めた。――しかし、「元夫」のもとには、前世の因縁から再び不幸が襲い掛かろうとしていた。