人には視えない〈モヤ〉が見える大学生と謎の本屋に現れる幽霊。シリーズで書いた小説をまとめて連載していきます。
【短編】朝靄が晴れるころ
満月の深夜にだけ開く、行こうと思ってもたどり着けない謎の本屋「ミカショボウ」。ミカはそこで子どもの幽霊と出会った。
【短編】夜の間に間に
人には視えないモヤが見えるミカ。彼は大学で知り合ったルイの目にモヤがかかっているのを見つける。本屋の幽霊「無垢」は、ミカにルイを連れてくるよう言った。
【幕間】未完/平成24年4月15日
【幕間】追憶/11年前
【短編】朝の訪れ
ミカと腐れ縁の播磨。二人の間には中学時代の忘れられない過去があった。大学で猫が殺されているのを見たミカの脳裏に、その過去がフラッシュバックする。
【幕間】未完/平成24年8月7日
【短編】番外編/柿安衣文の書きやすい文
未完書房の店主、柿安衣文。彼女が祖母から店を引き継いだ理由。
【中編】聖なる夜
播磨の恋人恩田さんはミカが淡い恋心を抱いた相手。ルイに惹かれているミカだが、播磨たちの痴話喧嘩に巻き込まれ、さらにバイト先の社員から持ちかけられた奇妙な相談が重なり、なんだか大変なクリスマス。猫耳天使誕生?
【長編】夜更けの珈琲は未完書房で2
(※こちらは別作品として公開予定)
ミカには他の人に視えない〈モヤ〉が視える。黒いモヤが視えると悪いことが、白いモヤが視えると良いことがある。そんな彼は夜中に開く不思議な本屋『未完書房』の幽霊である無垢の姿も視ることができる。
二人の前に現れたのはオーラが視えるという金髪童顔の早瀬、そして彼のオーラカウンセリングを受けているという原だった。
オカルト好きの早瀬と原につきあわされて白洲公園へと向かったミカだったが、そこで原の娘であるクルミが行方不明になる。
その事件を機に白洲公園には大きな黒いモヤが出現して喧嘩や悪戯が頻発し、心霊スポットとしてネットでも噂になった。
早瀬はそれを無垢の仕業と考え、彼を成仏させなければならないとある画策をする。それは無垢の存在の源である『未完』を燃やすことだった。