須藤伊千加（すどう いちか）、大学一年生。六歳のときに父親を亡くし、妹の凪沙（なぎさ）と母親の三人暮らしをしていた。 入学したばかりの大学で、先峯漣（さきみね れん）という男子と出会う。彼は、伊千加の幼馴染で、かつて、自分の父親を死に追い詰めた人間の息子だった。 友人たちや家族をも巻き込み、傷つけていく恋は、どこへ向かうのか。

中西 真人は小学生の頃に近所に住む大学生、安城 夏樹と出会った。彼女に遊んでもらいながらピアノを教わった真人。だが夏樹が大学卒業と共にその家を引っ越してしまうとぱったり会うこともなくなった。それでも彼女から教わったたった1つの曲だけは弾き続けていた。まるでそれを手放せば彼女との繋がりがなくなってしまうように。しかし高校2年の頃、ふらっと姿を現した夏樹と久しぶりの再会をする。そして成長し昔は気が付かなかった想いを胸に真人は懐かしの家へ彼女と向かった。

ある日、最愛の人である陽咲を不幸な事故で失ってしまった蒼汰。悲しみに暮れながらもただ消費するようにに日々を過ごしていた。 そんなある日、お墓参りから帰ろうとした彼は境内で林へと伸びる小道を見つける。和尚さんの許可を貰いそこへ行ってみると、そこには素晴らしい景色が広がっていた。それが気に入った彼はまた別の日、その場所へ。 すると、突然名前を呼ばれたかと思えば振り返ったそこには、着物に狐面をした女性が立っていた。聞き馴染みのある声で彼女は自分の事を死んだはずの陽咲だと言った。どういう理由があれ、彼女の名前を語るその女性に怒りすら感じる蒼汰だったがその人は二人しか知らないはずの想い出を口にした。 話をするうちに彼女が本当に陽咲だと信じ始める蒼汰。思いもよらぬ再会に嬉々とする蒼汰だったが、陽咲にはとある願いがあった。 それは「蒼汰が新しい相手を見つける事」 初めは嫌がっていた蒼汰だったが彼女と少しでも一緒に居る為、新しい相手を探し始める。 だが段々と蒼汰の心に変化が現れ……。 余りにも愛し過ぎたが故に感じる幸せと苦しみ。 『もしこの気持ちに悶え苦しむと分かっていても、それでも僕は君に恋をする。』

オリオン座しか知らない僕と、星座に詳しいクラスメイトとの、２人だけの天体観測。 　☆ 中学校の同窓会案内状を受け取った俺は、添えられていた手書きメッセージをきっかけに、地元に帰る。 居心地の悪かったクラスメイト達の中、恒星のように光る彼女を探しに。 　☆ 冬の星座の代表であるオリオン座は、３月になると、真冬と比べ南天から西南側へと移動している。

幸福の王子のようなひとの横で、しずかに死んでいく恋のはなし

海の底のようなかなしい恋のはなし

軽やかなあの子が恐ろしい弱虫のはなし

太陽のようなひとのことを好きになった、夜のようなひとのはなし

幼い頃に母親を殺された過去を持つ奈緒は、父親と共に周囲の人間からのいじめに苦しんでいた。友達なんてできた事がなく、奈緒は寂しさを埋めるために援助交際にのめり込んだ。人の温もりを得る事はできたが、どこか虚しさを感じる日々を過ごしていた。そんな奈緒の元に現れた一人の同級生によって、奈緒の生活は大きく変わっていく。【苦しくも美しい世界をもがく少女の物語】

離島の小学生の悲恋。

イケてない男子高校生とスクールカウンセラーとの切ない片想い。

空想世界に浸る少女×殺し屋の青年 小さな街、エトワールには、罪人と呼ばれ人々から忌み嫌われるエルという名の少女がいた。 ある日、エルが住まう古城の外で彼女を殺すべく小さな反乱が起きる。 場を鎮めたのはそこに現れた青年、シルバー。 彼はエルの殺害を依頼された殺し屋であるが、エルを助けることとなってしまったシルバーは彼女と生活を共にしていく。 ──星の瞬きは、残酷だった。

大好きなあの子の血を吸いたくない吸血鬼の話

「ここ、只野さんのお店ですよね。今度新しく始める――」 小雨の降る四月に従兄の店で出会ったその人は、人形みたいな顔立ちのどこか不器用な女性だった。 十七歳で故郷を飛び出して以来転々としながら生きてきた人、中上千紘。 病後の身体で今は静かに暮らしているという彼女に、ダンススクールの雑用バイトをしながら海外放浪生活を送っていた僕は一目で心を奪われてしまう。 （星空文庫に投稿したものに修正を加えています。８章に性描写を含みます） ◇運営様にtwitterで紹介していただきました。ありがとうございます。（2022/10/08）

夢を持ち上京した公孝は望まぬ結婚をし、冷たい東京の街にいた。 そんなある日、故郷に残してきたかつての恋人から電話があった。 母が死んだという。彼女をあの地に縛り付けていた枷が無くなったと。 「そっちに行ってもいい？」という彼女の言葉に公孝は頷けない。 電話の向こうで波の音が寄せては返す――。

僕はもう彼女を失うわけにはいかない。彼女の黒髪は乱れ、肌は赤黒く変色し、唇も真っ青だ。焼けただれていく彼女。 「――爆破しました」と無常に告げる大型街頭テレビ。 僕は彼女を守れなかった。せめて、彼女の灰を受け止めよう。 人外（花の怪獣）との悲恋もの。 Day7からDay1まで時系列を遡る作品です。 逆に最終話Day1からDay7まで後ろから前に読むこともできます。二通りの読み方をお楽しみ下さい！

抽象的で暗喩を用いた悲劇的恋愛シチュエーションの詩。韻を踏んだリズムと違和感をお楽しみいただければ。

誰かと誰かを結ぶのが仕事の恋のキューピット。 その日、彼女は恋に落ちた。

中西 真人は小学生の頃に近所に住む大学生、安城 夏樹と出会った。彼女に遊んでもらいながらピアノを教わった真人。だが夏樹が大学卒業と共にその家を引っ越してしまうとぱったり会うこともなくなった。それでも彼女から教わったたった1つの曲だけは弾き続けていた。まるでそれを手放せば彼女との繋がりがなくなってしまうように。しかし高校2年の頃、ふらっと姿を現した夏樹と久しぶりの再会をする。そして成長し昔は気が付かなかった想いを胸に真人は懐かしの家へ彼女と向かった。

フリーランスの傭兵まがいの仕事をしているアキラは、久しぶりに生まれ故郷である日本へと帰国した。そこでは次々と行方不明者が続出する、現代の神隠し――そう呼ばれている怪異事件が起きていた。帰国したその日、夕食を取ろうと店を探していたアキラは、一軒の店に導かれるように足を踏み入れた。喫茶店と間違って入ってしまったそこはドールショップであり、女店主である九十九楓に促されるがまま、彼女の作品を見ることになる。等身大の人形の完成度の高さに感心していたアキラは、ある人形を見つけるが、その目が合った瞬間意識を失ってしまい――気が付くと見知らぬ世界にいた。 ゴーストタウンと化した見知らぬ町を彷徨っていたアキラは怪物に襲われるが、一人の少女の加勢によって事なきを得る。その少女は、ドールショップで目にした人形と瓜二つだった……。