#愛 の作品

革迷
 少子高齢化が進み、若者の7割が貧困に陥った現代の日本。賃金は下がり、一方で社会保障の負担額は増大し、生活が困窮して追い詰められた若者達は頻繁に暴走的犯罪を起こすようになっていた。  そんな日本において、天賦の弁舌能力とカリスマ性を持った天才大学生の東條は、その才能とは裏腹に「特別」でない自分を自覚し、将来に対して諦めの感情を抱いていた。しかし、彼はある日、友人に頼まれて政治セミナーの講師を行うことになり、そこで、政治に熱心な高校3年生、小岩と出会う。小岩や恩師の李先生の影響を受け、東條はこの衰退していく国に革命を起こすため立ち上がることとなる。  その頃、人生における「負け組」の小林は、絶世の美貌を持つ風俗嬢の女子大生、朝比奈に出会い、生きる希望を見出す。彼は、朝比奈に釣り合う男となるため、様々な手法で金を得ようとするが、それは彼にとって破滅への第一歩であった。一方、生まれてこの方、恋愛の感情がわからない朝比奈は谷本という男と出会い、人生で初めての恋を経験してゆく。若者のリアルがいやらしいほどに描き出された第二部は、第一部と登場人物がガラリと変わるが、それらは後に繋がりを見せてゆくこととなる。  やがて、ある事件をきっかけに日本は崩壊へと向かってゆき、若者達の暴走も激しさを増していく。生かすのは高齢者か若者か。命に価値の大きさの違いはあるのか。東條は衰退してゆくこの国を変革することが出来るのか。そして、東條の真実が明かされ、彼自身のエゴと対峙する第四部は、驚愕の展開に圧倒されること間違いない。  「愛」「性」「金」「欲」「信頼」「諦観」「格差」。各登場人物が抱える葛藤に迷いながらも、それぞれの革命を起こすために動き出す。  人間は何のために生きるのか。人間は無償の愛を持つことが出来るのか。人間の本質は善か悪か。現代の日本の姿を風刺しつつ、人生におけるあらゆる問いに正面から向き合った著者の処女作。読めば必ず、人生の「答え」が見つかるはず。