中学一年生の風間明佳(かざまあすか)は母親との関係に悩んでいた。
『あなたのために言っている』
という母親の言葉を嫌悪しながらも努力を続ける明佳。がんばっても、がんばっても母の期待通りにいかない明佳を理解してくれるのは美術部の顧問の花島先生だけ。
どうしたらいいのか悩む明佳に花島先生は「占ってあげようか?」とカラーカード占いを始めるのだが――
母とのすれ違いがますますエスカレートしていく中で、花島先生のカラーカードが明佳に語りかける。
その結末は……
思春期の主人公が学校や家庭で思い悩み、ぶつかっていく短編連作。
これは発達障害境界域(グレーゾーン)と呼ばれるひとりの女の子の実際(リアル)を切り取った物語。