#月 の作品

月が綺麗ですね
ー流れ星のように唐突に現れた彼は、私の「救世主」だったー 平凡な日々を送る女子高生の立花雪乃。少し特別な力を身につけた彼女は自分の家の屋根で夜空を見ることと優しい両親が大好きだった。彼女の何の変わりもない毎日に突然現れたのは幼馴染の夜神智稀だった。智稀と雪乃は小学校低学年まで一緒にいた。雪乃は幼いころに彼と見た星空が世界で一番綺麗な景色だったと忘れられなかった。再会した二人はまた一つ一つ、二人だけの特別な思い出を月や星が綺麗な夜空の下で増やしていった。そして笑顔の絶えない毎日を過ごしていく。 しかし、智稀は雪乃の目の前で突然姿を消した。雪乃と智稀の世界は同じではなかったのだ。智稀は自分のいる世界で健と友香里に出会う。健と友香里は雪乃の高校での親友だった。健と友香里は雪乃を自分たちの世界に連れ戻そうとずっと必死だった。そこに現れた智稀は彼らの救世主だった。何故なら智稀には彼女を助けられる能力があったからだ。 そして健と友香里は智稀に想いを託す。その想いを受け取った智稀は何度も何度も雪乃を救うために立ち向かった。しかし雪乃はなかなか戻ってはこなかった。健と智稀はお互いを支え合いながら、雪乃に真実を伝える。全てを知り、記憶が蘇った雪乃は崩れ落ちてしまい智稀のいる世界を拒否する。彼女の心を救わねば、彼女は智稀たちのいる世界に戻ってくることは出来ない。智稀は初恋の相手である雪乃のため、ただひたすらに彼女と向き合う。彼女の瞳を見つめて、本当の意味で「会いたい」と伝える。 雪乃は全ての真実を知り、心を閉ざしていたが、智稀と過ごしたり健や友香里の想いに気づいたりするうちに幸せの意味を知る。雪乃は智稀たちのいる世界に果たして戻ってこられるのか。智稀や健、友香里は雪乃を救うことができるのか。 物語は雪乃、智稀、健、友香里の四人の高校生がそれぞれを想い、恋をしながら夜空や星、月、夢をテーマに進んでいく。雪乃の真実とは。四人が抱える想いとは。四人を待ち構えているのはどのような結末、未来なのか。そして雪乃が知った幸せの意味とは一体どんなことなのか。決して止まることはない時間の中で自分たちの世界を必死に生き抜く高校生が主人公の、涙と笑顔に溢れた青春ファンタジーストーリーとなっている。