#現代 の作品

君に贈る、最後の物語
 他人との接点を軽視し、執筆活動を中心に生活している学生、新谷一は、文芸部の合宿に対し珍しく気合を入れていた。  伝統のある合宿だが、合宿の説明会の際に沖リオナが中止するべきだと訴え、不穏な空気が流れる。  合宿当日、一の家に合宿に参加するなと脅迫状が届いたが、合宿に対する思いが強い一は合宿に参加する。  玄関を開けると、恋人関係にある望前明菜が立っていた。  恋人関係にあるが、愛し合ってはいない。好きだから付き合ったのではなく、付き合っていれば好きになるのではと恋人になったあやふやな関係の明菜。  そんな明菜が、部外者にもかかわらず合宿についていくと言い出し、退かなかった。  その後、脅迫状が贈られてきたという理由で合宿を辞退した沖リオナに代わり、明菜は合宿の参加を許される。  合宿所は、無人島に建てられたログハウスだった。室内には高価ではないがアンティークな家具や鎧などが飾られている。  合宿初日は、明らかに何かを隠している上級生のせいで殺伐とした雰囲気で終わり、顧問の小野寺と一年生の榎木が殺害され死体で発見される。  自分達の中に犯人がいるのか、部外者が潜んでいるのか分からない状態の中で、一だけが気付いていた。  飾られている鎧の中に、誰かが隠れているのを。
能(アビリティ)ロイヤル
No Image
恐らく完結するまでに、70万辺りから〜100万文字程度、もしかしたら150万文字程度になるかもです アニメの長さでいうなら、4期ぐらいの構成が済んだので、かなりランダムな頻度で更新していきます 十六(じゅうろく)という能面を運命づけられた高校生、観世幽(かんぜ ゆう)。 日本の伝統芸能において重要な流れを汲む観世流、その家系の一人息子として生まれた為に、主人公は幼少期から祖父による英才教育を受けてきた。 多くの役、人格を演じてきた影響で、主人公は己の人格を途中で見失ってしまう。 そして主人公が中学から高校に進級する時、ある危険な遊技に遭遇してしまう。 それは深夜、能(アビリティ)を持った人々が街中でバトルする謎の遊技。人々はそれを能(アビリティ)バトルロイヤルと呼んだ。 警察による包囲網がバトルロイヤルのエリアを徐々に縮小していく。 主人公はある理由から、アビリティロイヤルに身を投じていくことになる。 多重能力者という稀有なアビリティを用いて、少年はアビリティロイヤルの世界で有名になっていく。 バトルロイヤルを通じて、一人の青年の揺れ動くアイデンティティを描く作品。
月と影――ジムノペディと夜想曲
 冬の函館で僕は音楽を「捨てた」  全54話、完結済み。  音楽を「捨て」放浪する音大生「想(そう)」は今、冬の函館にフリーターとして身をやつしていた。想は行きつけの居酒屋「冨久屋(ふくや)」で働く年上の優しく美しい従業員、「すがちゃん」に心温まるものを感じていた。  そんな中、駅に置かれているピアノを見つけた想。動揺しながらも、そこでとある女性が奏でるショパンの夜想曲第19番の表現力に激しい衝撃を受ける。それに挑発されるように、音楽を捨てたはずの想もまたベートーベンの月光ソナタ第三楽章を叩きつけるように弾く。すると夜想曲を奏でていた女性が、想の演奏を気に入った、と話しかけてきた。彼女の名は「藍」。  想はすがちゃんや藍たちとの交流を経て絶望的に深い挫折と新しい道の選択を迫られる。そしてついにはある重大な選択をすべき時がやってくる。  音楽に魅入られた人々の生きざまを描いた長編小説。  些か読みにくいのですが、登場人物たちは自分の筆力としてはそれなりに魅力的になったかと思っています。  男性向けか女性向けかというと、消去法的に女性向け、と言えなくもないでしょう…… ※アルファポリス「第5回ライト文芸大賞」に応募した作品です。 ※カクヨムにも掲載済みです。
アイドルは白い密室でユメをみる
「ずっと夢の中で謝ってたの。くーちゃん、ごめんなさい、ごめんなさいって」 「私、都のこと、怒ってないよ」 「くーちゃん、なんのこと?」  結城都は、平凡な女子高生。インフルエンサーと自分のフォロワー数の差について深刻に悩んでしまう、17歳。そんな都だが、ひょんなことからアイドル候補生として、ひと夏を過ごすことになる。彼女が参加するアイドル発掘プロジェクトの内容は、地下施設「楽園」に集った7人のアイドル候補生たちが、夏休みの一ヶ月間、24時間配信カメラの監視の下でレッスン生活を送るというものだった――  和気あいあいとした共同生活の中、立て続けに勃発する不可解な出来ごと。  次第に、疑心暗鬼に陥るアイドル候補生たちだが―― 「花火みたいに打ちあがっては、消えていく女性アイドル!」  打ち上がる前にしなびて朽ちていく名もない庶民の生き方もうつくしいが、花を咲かせる彼女らの華々しくも危うい生き方は、嫌になるほど魅力的だ。 「ね、くーちゃんもそう思うよね?」 【登場人物一覧】※2023/6/9追加しました 結城 都(ゆうき みやこ)……高校二年生。平均的なステータスを持つ、ザ・凡人。コミュ力はやや高め。 花森 くるみ(はなもり くるみ)……高校二年生。都の親友。 藤堂 愛菜(とうどう あいな)……高校二年生。元子役で、芸歴はメンバー内で最も長い。ピュアで前向き。 雨車 歌乃(うぐるま かの)……高校二年生。愛菜と同じ芸能事務所に所属している。愛菜に対して友情以上の感情を抱く。 日辻 芽衣子(ひつじ めいこ)……高校一年生。大人しくて引っ込み思案だが、大胆な一面も。 金丸 旭(かなまる あさひ)……高校一年生。体育会系妹キャラ(自称)。一人称は「僕」。 轆轤 奈々(ろくろ なな)……高校二年生。ルックス・能力ともにハイレベルなチート女子。オカルトをこよなく愛する。 神林 八重(かんばやし やえ)……高校三年生。クールで常に孤立している。
Psycho Trigger(サイコ トリガー)
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精神疾患、発達障害、などなど目に見えない病気などを扱った作品 人生で抱える様々な苦悩により、人々は能力を発現させ、日常生活を送ることが困難になっていく。 誰にも告白できない悩みをさらに抱えながら、能力者達は日々、複雑に絡み合っていく問題に対処出来ず、遂には、社会の中で暴走を起こしていく。 つまり、罪なき人々にその刃を剥けるように。 しかしそれは暴走者が一方的に悪いという構造ではなかった。 彼らはただ能力を発現させ、それでも人生を生き続けようとした、その結果が暴走だったのだ。 被害者が新たな被害者を生んでいく際限のない負の連鎖を断ち切るために、一人の少年がある施設から派遣されて、東京に一歩、踏み出した。 謎の事務所に赴き、美少女のサポートと一緒に任務についた。 彼はただの少年ではなく、町で暴れ回る能力者達と同じくらい深い傷を宿した能力者。 仕事は初心者なのだが、才能があり、任務を重ねながら、経験を積んでいく。 そして少年が今日も、絶望的な状況を救うために、町を駆けていく。 自殺や警察による自殺、他殺、無差別殺人などかなり暗いテーマですが、基本的にハッピーエンドで終わります。
二人芝居
 イケメンに生まれ変わりたい。劇団員十七名惨殺事件の犯人『景山幸雄』は処刑間際、そんなことを願った。 死んだはずの景山が目を覚ますと、イケメン俳優『桐山日向』の体に魂が入り込んだ。景山は桐山の体を使って俳優としての人生をやり直すことを計画する。顔だけの大根役者だった桐山は景山の演技力によって実力派俳優として注目されるようになる。  景山が俳優生活を満喫していると、眠っていた桐山の意識が戻る。桐山は景山に自分の体を返すように要求するも拒否される。桐山は景山に一つの条件を出す。それは演技をする時だけ体を貸すこと。俳優生活を送りたかった景山は二つ返事で了承する。  二人の共同生活が始まるも上手くはいかなかった。入れ替わりたい時に都合よく替われず安定しない演技のせいで俳優の仕事は激減した。 景山は桐山に演技を上達させるための特訓をすることを提案するが、桐山は頑なに拒否をする。    しかし、俳優として生き残るため、景山の懸命な説得に折れ、桐山の演技特訓が始まる。  四年後、桐山を大根役者と呼ぶものは誰もいなくなった。桐山はドラマや映画に引っ張りだこの実力派俳優へと成長した。それと引き換えに景山が桐山の体に現れづらくなり始めた。その感覚は狭まっていき、桐山日向の体にいられなくなる。  景山は桐山のスマホに“君を立派な役者にすることが出来て誇りに思う”というメッセージを残す。それを見ながら桐山日向は目に涙を浮かべた。  景山幸雄死後、桐山日向は若手役者育成のため、養成所を開く。そこに景山幸雄と同姓同名のイケメン青年が現れる。桐山日向は景山幸雄の生まれ変わりだと思い、景山幸雄に自分が成長させてもらったように青年を日本一の俳優に育て始める。
マーチバース! ~多元音響、ここ(そこ)にあり?~
 一八才の新進気鋭ギタリスト浮綿 阿衣(ふわた あい)は、ひょんな事から〝思界(しかい)〟という不思議な力を与える男と出会う。  思界を持つ者を集めグループを作っているという男の手引きにより、阿衣もその力を手に入れる。  さらにはグループにも加わり、そこで部活のような活動をする事に。  はじめは面倒としか思っていなかった阿衣も、ちょっとした秘密の遊び程度に楽しめる様になっていく。  ある日、そんな秘密を知った一つ年下のいもうと夢吽(ゆう)に、思界が欲しいとねだられる。  二〇一九年、二月二〇日。阿衣にとって大きなライブがあるその日に、夢吽は思界の力を貰うべく、仲間の元を訪れる。  だが、そこで夢吽は大きな事件に巻き込まれ――  遊びにしか思っていなかった思界の力。そこに潜む危険性、戦いの影。  日常と非日常を行き来する日々の中で、遊びだけでは済まない、界の実態に直面する阿衣と夢吽。  やがて二人は、呪いにも似た〝ある約束〟を交わす事になる。  別世界から空間を流し込み、一部エリアを拡張する〝S4〟機能が試験導入された都市。そこを舞台にした、音楽、日常、SFが混じり合う現代ファンタジーが今、この世界に流れ込む! ※基本は三人称。主人公がメインの話の時は一人称視点で書いています。