膝クルージング ~どれほど美しい顔でも、それが膝に現れたなら、化け物と呼ばれることになる~
年金事務所の契約職員、城間勇二(きま ゆうじ)がある朝起きると、右膝に人間の顔が浮き出ている。
勇二はその膝の顔を、職場の同僚であり恋人でもある久茂利菜(くも りな)に気づかれないように過ごすのだが、隠すことに必死になるあまり、ぶしつけな態度をとってしまい、二人の仲がこじれていってしまう。
そしてどういうわけか二人の縁が切れそうになると、勇二の膝の顔は消えかかる。勇二はどうにか利菜との関係が途切れないように努めるが、二人の関係が修復されると、膝の顔は再びくっきりと浮き出る。そのパターンに気づいた勇二は、誰かが二人の仲を割くために、呪いでも掛けたのかと推測する。
やがて勇二は呪いを掛けていたのが、職場の同僚、有岸真帆(ありきし まほ)だと知る……
未来切り拓き系、少し不思議ラブストーリー(ちなみに舞台は年金事務所)
勝手にテーマソングを付けるなら、ミスチルの『過去と未来と交信する男』
※この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。