【あたなのもとへ。……何度でも】
8年前に妻を亡くした小塚は、郊外のアパートで一人静かに暮らしていた。
ある日、小塚の隣の部屋に、シングルマザーの矢吹とその娘・希里亜(きりあ)が越してくる。
明るく可愛らしい希里亜は小塚に懐き、矢吹も娘思いのいい母親で、小塚は矢吹母娘と親密になっていく。
しかし、矢吹の部屋の出窓に置かれた鉢植え、希里亜がいつも大事そうに抱えているヌイグルミ、作り過ぎたと言って時々、小塚の元へ持ってくる料理の数々は、亡き妻を思い出させるものだった。
それらは、ただの偶然か?
8年前に妻が死んだ理由とは?
薄れつつある記憶が呼び覚まされる中、過去の悲劇が新たな悲劇を引き起こす、転生ホラー。