「私」がまだ純粋無垢な高校生のころ、家を飛び出して毎日のように海を見た。そうすると心が安らぐからだ。親のことや自分のこと、それらすべてがどうでも良くなる。ある日、私は同じように海を見ていた。これからどうしようかと考えていると、私の目の前に一人の少年が現れる。子供は、私より大人で、私は自分を恥じた。私はその子供に、説教をされてしまう。
募ってしまったもの、やってしまったもの、起こってしまったことは仕方がない。ただ、それを今後どうしていくかが重要だ。忘れてはならない記憶は、誰にだってある。
そうした忘れてはいけない出来事は、いつか誰かが語らなければならない。