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古橋 智
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文豪
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自称・食えないモノ書きです。ちょいちょい小さな文学賞を取って、一応は単行本デビューもしています。ヨロシク。 略歴・第十八回新風舎出版賞 フィクション部門 最優秀賞受賞(書籍化) 第一回立川文学賞 佳作入賞(書籍化) 第六回クリエイティブメディア出版 出版大賞ノンフィクション部門 優秀賞受賞 第一回KINOKUNI文学賞 佳作入賞 第二回KINOKUNI文学賞 大賞受賞 君に伝えたい物語(第一期) 映像化受賞 第三回ⅡⅤクリエイターアワード 小説部門賞受賞
投稿されたブンゲイ
サイレント・ライフ,ロンサム・ライブ
二十代半ばにしてクッシング病という難病に罹ってしまった瀧本健太郎(たきもとけんたろう)。 今までは健常者の目線でしか生活してこなかったが、病気が長く続いて以来、病人の心理や死生観、徐々に自らの間に病人と健常者の線引きをし始め、生きる事の意義や虚しさを思索。 だが、一方で病気の影響もあって、付き合っていた彼女とも別れ、友人達とも距離を置くようになり、自ずと独居状態に瀧本は陥っていく。また、難病故に仕事をする面でも制限がおかれ、普段の生活に支障をきたし始める。 そして、地味に負担になっていく難病を瀧本が抱える中、間宮京子(まみやきょうこ)という同じ病院に通うやはり難病を抱えた女性と、神がかった偶然によって出会う。 事実を基とした自伝的ノンフィクション風小説。
ヒューマンドラマ
全23話
完結済み
#ノンフィクション
#クッシング
#病気
#医療
アポロンが堕りる刻
その刹那、人類は自らの行為に恐怖する…… 戦争の世紀と呼ばれた二十世紀。そして、その世紀で繰り広げられた幾つかの戦争により、皮肉にも文明や科学などが、兵器や武器の改良を介して進歩していった。政治の力学のみならず、国家自決の植民地支配、ひいてはその発展形ともいえる帝国主義の野放図的な氾濫。そこに工学や化学の急速な進捗により、もはやワールド・スタンダードのコモンセンスはパラダイム変換してしまった。拡張する殺傷・殺戮兵器は、その物理的脅威よりも、人々に精神的、もっと具体的に述べるのならば、道徳観や倫理観にも影響を及ぼす結果となった。 特に第二次大戦中に開発され使用された「原子爆弾」。 核爆弾とも言えるそれは、今日をもってしても人類史上の最凶かつ最悪・最大の大量殺人兵器として君臨している。ただそれは単純に科学の粋の結晶の一言ですましていいものなのだろうか。人間同士の戦争を、対人間の体を消し去った、人間または軍人による戦略・作戦・戦術などの頭脳戦をも皆無にしてしまった、ある意味、人間臭い戦争の終焉になったのではないか。 本作品は世界大戦の背景で生まれた、原子爆弾の製造に関わる戦史の秘話的なエピソードと並行して、戦争の世紀における、人類が発展させた科学の功罪や、その後の歴史認識を問う。特に第二次大戦下における、各国の高官や政府、軍部首脳の駆け引きなどもそこに織り交ぜている。 さらに敷衍して、原子爆弾の仕組みは元より、クラウセヴィッツの「戦争論」などを参照して、戦争という行為の整合性や論理性などにも問題提起をしていき、大枠の意味で通常戦闘とは何か、という意義も探っている。 また、大戦中における原子爆弾製造の秘史の流れから、現在も隘路の俎上にあがっている、放射能や放射線漏れによる原発問題(原爆と原発という対立概念の側面からと)、いわゆる原発の元である核分裂反応の仕組みについても触れつつ、それらをテーマとした重層的な作りのドキュメンタリー小説として、長編的というよりかは、コンパクトな形でまとめてみた。
ノンフィクション・批評・感想
全18話
完結済み
#原子爆弾
#第二次世界大戦
#太平洋戦争
#秘史
絶対安全圏のカオス
No Image
ある日、大学生の坂崎達也(さかざきたつや)は「フェルマーのワード」と呼ばれる言葉を友人から聞く。それはポータルサイトの検索エンジンなどで「何らか」のワードを打ち込んで検索すると、とんでもない事がおこる、というひどく曖昧で胡散臭い話だった。 当初は歯牙にも引っ掛けていなかった坂崎だったが、徐々にそのフェルマーのワードが気にかかるようになる。 さらにかつての親友であり「訳アリ」の間柄でもある大河内信吾(おおこうちしんご)が行方不明になったのをきっかけに「あいつはフェルマーのワードを見つけたから姿を消したんじゃないか?」と妄想し始め、さらに坂崎はフェルマーのワード探しに腐心していくのだが……
ホラー・スリラー
全8話
完結済み
#ミステリー
#サスペンス
#インターネット
#ワード
#検索エンジン
Our stories
No Image
日々の生活に色褪せる思いを募らせる若者、真田(さなだ)祐(ゆう)吉(きち)。そんな折、仕事と家の往復の日常に一つ波風を立たせようと、真田は趣味の一環としてブログを立ち上げてみた。そのブログの内容。それはWeb日記としての使い方ではなく、ブログ訪問者をストーリー・テーラーとして迎え、一緒に『ストーリー』を作成していこうというもの。その名も『Our Stories』。つまり、真田がブログ上で公開した素案を元に、複数人のブログ訪問者が共作して、一つの物語を作っていくという試み。あくまで趣味として始めたその企画だが、幾人かのブログ訪問者がストーリー・テーラーとなり、徐々に真田もストーリー作りの楽しさを覚えていく。 その過程の最中、新しいブログ訪問者「スノウさん」が現れ、Our Storiesのストーリー・テーラーとして加わる事になる。だが、そのスノウさんから送られてくるストーリー。それが真田の記憶の断片と妙に一致する。真田が学生時代に付き合っていた女性、飯村(いいむら)由紀(ゆき)との思い出と。 次々と送られてくるスノウさんからのストーリーから、数多にシンクロする真田自身と飯村由紀との学生時代の出来事。真田はスノウさんが飯村由紀ではないのか? という疑念にかられ始める。だが、一方でスノウさんにその旨を確認することを逡巡する真田。そんな中、真田はスノウさんから送られてくるストーリーと、自分の考えているストーリーにズレを感じ始め、互いのストーリーが衝突し、対立し始める。
青春
全8話
完結済み
#ブログ
#リレー小説
#恋愛
#出会い
ホワイト・レイン
一見すると葛城優作(かつらぎゆうさく)と沖野綴喜(おきのつづき)はお似合いのカップルだった。 だが、葛城は沖野と逢瀬を重ねる度に何らかの違和感を覚えていた。それは恋愛感情の倦怠感とは別物の「何か」だという事に、葛城自身は感じていた。また沖野の方もどうにも様子がおかしい事に葛城は察する。 何かがおかしい? 葛城はそんな二人の関係を疑問に思いながら、徐々に自らの「記憶の蓋」に気づき始め、沖野綴喜の「本当の存在」を理解し始めて……イマジネーションとファンタジーが交錯する少し切ないラブストーリー。
恋愛
全11話
完結済み
#実存
#哲学
#青春
短いナイフの一日
No Image
限りなく現代に近い未来の地球。既に世界では現在の倫理観とは異なっており、人間の生命というものが軽視されていた。社会はあくまで生産性や経済性の効率化のみを追求して、機械化された世界ではたたでさえ人口爆発の状態の中で、社会的弱者は無用の産物と化していた。その渦中で世界各国は、無駄な人間の排除、それをして国家の発展と位置づけ、所謂、ジェノサイド(大量殺人)を合法化し、それを執行していた。 その中、日本でも『特別合理殺人法』と呼ばれる法律を認定。別名として『短いナイフの一日』とも言われている国民的行事。それは政府が許可した特定の一日のみなら、殺人行為をしても容認するという内実。たただしそれには諸々の手続きがあって、好き勝手に人を惨殺できる訳ではない。ルールというものは存在する。 そんな渦中の近未来の日本で、宇梶信光(うかじのぶみつ)は今の社会の状況に疑問を呈しながらも、短いナイフの一日というイベントに数年参加していた。そのような経緯から宇梶は人類の未来の隘路について、深く内省を試みていた。
SF
全6話
完結済み
#近未来
#大量虐殺
#殺人許可
#哲学
#思想
二つの対話およびフッティングの綻び
No Image
ダイアローグ形式の二部構成小説。 第一部。 月見里嘉緒翠(やまなしかおす)の部屋にやって来たその友人の新愛聖詩流(にゅあせしる)は、唐突に月見里に面向かってナイフを持ち出し「君を殺す」と言い出した。新愛の一応の理由としては実は月見里に諸々の恨みつらみがあっての事だが、その場の二人の若者の状況としては、淡々と会話が羅列していくだけ。 その途中、月見里は新愛の隙を狙って、奇妙な新愛への愛の告白をした後に、新愛を殺害する。 第二部. 新愛の殺人により警察に自ら警察に出頭した月見里。その尋問の担当になったベテラン刑事である山田一郎(やまだいちろう)。取調室で二人は会話のやり取りが始まるが、どうにも煙に巻いた月見里の言い分に山田は混乱し、さらには月見里の山田に対する小馬鹿にしたような態度から、取り調べの事態は徐々に苛立ちと殺気を帯び始める。そして、怒髪天となった山田は月見里の首を絞める行為に及んだ。
ホラー・スリラー
全4話
完結済み
#不条理
#サイコパス
#ダイアローグ
#猟奇
蕩児たちの帰宅
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ある日、久米由悠季(くめよしゆき)は同じアパートの隣室に住んでいる長瀬類(ながせるい)から、久米の部屋の前住人が殺人犯であったという話を聞く(住人が殺人犯で、殺人現場はその部屋ではない)。既に久米が住み始めて数年が経つも、そんな話は聞いた事がなかったので、多少の動揺を久米は覚えるものの、久米は特に気にする事なく、日々を過ごしていく。 だが、ある日。夜、バイト帰りの久米が家に帰ってうたた寝気分でいる時に、突然、鍵をしたドアノブが無造作にこじ開けられかける被害を受ける。その行為は不定期ではあるが、久米の部屋に訪れてはガチャガチャと騒々しくドアノブを回す。犯人は確認出来ない。何処ぞの変質者と久米は想像するが、長瀬からたまたま聞いたトールキンの「行きて帰りし物語」からなる分析で、ロシアの説話研究家プロップの「昔話の形態学」の理論から、もしかするとその愉快犯的変質者は、以前に久米の部屋に住んでいた殺人犯ではなかったのではないかと? と想像する。
サスペンス・犯罪小説
全4話
完結済み
#ミステリー
#ホラー
#スリラー
#サイコパス
#都市伝説
空き室、あり。
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家賃が安い。その理由をして、自殺した人間がかつて住んでいた部屋を借りる事になった青年、小早川友晴。彼はそんな特殊な環境の部屋で過ごすうちに、どんどん奇妙な妄想を膨らませていく。 特に同じく引っ越して来たばかりであろう隣人に対して、一度もその住人と出くわしたがない事に拘って、小早川の心中では神秘的な存在として位置づけ、さらに妄想は広がっていった。そこには自分自身への誇大妄想も含まれていた。 だが、職場での自分の思い込み(妄想)によるトラブルから、自分を「世界の救世主」とまで肥大化していた自我が崩壊し、どうしてか今まで超常的かつスピリチュアル的だった、一度も出会った事のない自分の部屋の隣人を、地球を滅ぼしに来た、凶悪なエイリアンと想像し始め始め……
ホラー・スリラー
全8話
完結済み
#事故物件
#サイコパス
#妄想
トリガー
No Image
退屈な人生を淡々と過ごし、日頃の仕事には常に不満を募らせながら、典型的な病んでいる若年サラリーマンを演じる寺沢(てらさわ)信行(のぶゆき)。 彼はある程度ストレスが溜まると、『トリガー』と呼ばれる地下バーに足を運んでいた。目的はそこで行われている特殊なイベント。 それは、ロシアン・ルーレット。 トリガーでは個人個人が望むならば、お互いの同意のもと、ロシアン・ルーレットができる、という密事が成立していた。そのロシアン・ルーレットで寺沢は幾度も生死の境を潜り抜けてきた。だが、そんな命の駆け引きにも関わらず、毎度毎度のその動機は「ただ、何度なく……」というファジィなもの。寺沢にとっての「生」はリアルではなかった。自らに微かに残る「生」を、引き立たせるための手段が、ロシアン・ルーレットであった。 だが、そんなある日。 自分には全くないと考えていた「内面」が感情の機微に触れ、興奮に打ち震える事実を知った。 そして、その勢いのまま立ち寄ったトリガーで、学生時代にとある軽いトラウマを抱えていた寺沢の、その原因となったキーパーソンと再会する。
サスペンス・犯罪小説
全9話
完結済み
#ロシアン・ルーレット
#鬱屈
#狂気
#青年の苦悶
#トラウマ
残刀始末奇譚
No Image
時は明治維新期。舞台は文明開化に賑わう江戸より名を転じた新生の都・東京。だが、そんな周囲の殷賑とは別に、大村(おおむら)辰(たつ)馬(ま)は剣の師匠の敵である後藤数右衛門(ごとうかずえもん)の首を暗がりで狙っていた。そして、高まる緊張感の中、実行するも敢え無く失策。大村は後藤を取り逃がしすぐさま追うも、後藤の用心棒が目の前を塞ぐ。その用心棒。かつて大村と道場で轡を並べた同門、由良勢(ゆらせい)十郎(じゅうろう)であった。その偶然の邂逅にして、対決を余儀なくされた大村だったが、実力差如何ともし難くやはり敢え無く絶命する……。 だが、志半ばにして大村、その後藤を打倒する信念は朽ち果てず、その想いがどうしてか由良の刀に憑(つ)いてしまった……
歴史・時代
全10話
完結済み
#伝奇
#幕末
#明治
#友情
#恋慕
ヘブン・オンリー・ノウズ
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度重なる告白の失敗から人間不信に陥っていた桂井健史(かつらいけんじ)。そんな折に偶然にも人の心が読み取れる「MR」というアイテムを、訪れてきたセールスマンから紹介される。そして、MRの三日間のお試し使用期間を与えられる。 桂井は半信半疑とりあえずMRを使用してみるが、実際に使ってみると見事に読心は成功する。それによって桂井は幾度かMRを信頼し始めるが、MRを使う事に対して、人の心を覗く事に道徳的に如何なモノか? と葛藤もし始める。 だが、桂井には意中の女性がいて、彼女の自分に対する想いだけは知りたい、と考えていた。ただその前に彼女とは別にもう一人会社のマドンナ的なOLに読心してみた。そこで彼女から読み取った記憶や人格や過去は……? さらに驚愕の事実が待ち受ける
SF
全5話
完結済み
#どんでん返し
#クレアエンパシー
Left to do
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女好きでプレイボールかつ誰彼女構わず、女性から金品をたかっている最低スケこまし野郎の高島浩介(たかしまこうすけ)が、ある日豪快に事故死した。 だが、天罰と思いきやその事故死自体は高島本人が蒔いた種だが、あの世の「生死査問委員会」では予定の死より早い事故であった。つまりはもう少し高島は長生きして事故死する予定だった。 そこで急遽、委員会で高島を天国か地獄に送るか緊急会議を始める事になった。その間に高島は死神に「この世の方でやり残した事があるので、一度生きていた世界に戻して欲しい」と願い出る。死神もこちらの方に不備があったので高島を早く死亡させた事もあり、特別に委員会の決議が出るまでの期間だけ生き返る事を承認した。 そして、女ったらしの現代のドンファンを気取る高島はその「やり残し」とやらを成就するために、再び地上へと帰ってきた。
ファンタジー
全4話
完結済み
#ラブコメ
#友情
名残り雨
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時は幕末。乱世の様相を呈する京都の地にて、何処の組にも属する事なく、薩長の志士を斬り続けている、謎の人斬りが暗躍していた。異名を「断鉄の総助」という。その噂の元に集まった討幕維新の志士の三人、堀田甚蔵(ほったじんぞう)、篠崎悠九郎(しのざきゆうくろう)、倉沢(くらさわ)拓(たく)馬(ま)。彼らは仲間の志士を斬り続ける断鉄の総助を追う任務を担う。 早速、断鉄の総助の探索は始まるのであるが、その最中、断鉄の総助の頬に激しい裂傷がある、という情報を知る。その話に堀田は引っかかる。断鉄の総助という名に、どこか気懸かりをする。自分が江戸に居た頃に知己であった「深町(ふかまち)総助(そうすけ)」という、当時幼さすら残った、一流の剣士を夢見た少年の名前を連想する。 堀田のその気懸かり、また予感は的中し、断鉄の総助の追尾の途中、二人は再会した。断鉄の総助は即ち深町総助だった。堀田と偶然再会した深町は、江戸に居た当時道場剣法の手練で名を通し、また自らも胸を借りた堀田に対して、真剣勝負を所望する。だが、堀田は深町からのその挑戦を受ける事はなく、その場をあとにする。堀田にはその覚悟がなかった。 そんなある日、篠崎が密かに逢瀬を重ねていた倉沢の妹が、京に間もなく帰ってくる事が決まった。と同時に断鉄の総助が東福寺を根城にしている、という有力な情報も得る。いきり立つ篠崎。だが、倉沢の妹が帰ってくる前に任務を果たす、と勇んでしまった篠崎は一人東福寺の乗り込み、逆に断鉄の総助に斬り殺されてしまう。最早、深町総助との対決が必至と悟った堀田は、倉沢に向かってこの一件に対しては自分一人に任せてくれ、と頼む。そんな真剣な眼差しを放ちながら全てを語る堀田に、倉沢は自らが所持していた「とある物」が入った風呂敷包みを黙って手渡す。 そして、雨が降りしきる中、堀田はただ一人、深町総助との決戦の場へと臨んだ。
歴史・時代
全6話
完結済み
#幕末
#運命
#再会
#決闘
I can't stop killing you.
No Image
日頃から腹の立つ上司を完全犯罪よろしく、その殺人を決行した桑田和博(くわたかずひろ)。 だが、その現場を目撃されてしまった。それに気づいた桑田は、もはや判断の余地なくその目撃者を殺害。 しかし、さらにその殺人現場を見られて、さらにその目撃者を殺す羽目に。 一方でまたその殺人現場を目撃され…… シュールでブラック・ユーモア感覚溢れる掌編小説。
ホラー・スリラー
全1話
完結済み
#ショートショート
#ブラックユーモア
ストップ・メイキング・ムーブ
No Image
時を止める……時空静止に賭けた狂信的な科学者の野望とは?
SF
全1話
完結済み
#ショートショート
戦慄のドライブ
No Image
偶然にも殺人事件を目撃してしまったタクシードライバー。 それからしばらく期間が経ったある日の真夜中、そのタクシードライバーは奇妙な客を乗せるのだが……
サスペンス・犯罪小説
全1話
完結済み
#ショートショート
そいつのハジキに、タマはない。
No Image
超一流の殺し屋の男。だが、今度のターゲットは殺し屋の男のハートを逆に射抜いてしまうような相手で、殺し屋は標的を殺せず拒否。だが、他の殺し屋がターゲットを狙うようになり、殺し屋の男は密かにターゲットを守る側になり、次々と刺客を返り討ちしていくのだが……
その他
全1話
完結済み
#ショートショート
食の果てに
No Image
衝動的な怒りで同僚の大沢を自宅で殺してしまった山本は、その死体の始末に困り果て、自らがその遺体を食するという狂気の沙汰の方法を考えるのだが、実際に食べてみるとその味が忘れられなくなり、山本は最終的に究極の選択をする。
ホラー・スリラー
全1話
完結済み
#ショートショート
遅すぎた伝言
No Image
量子コンピューターにおける量子テレポーテーションの実験のために、長い宇宙航海に出たボブにはこの実験のプロジェクトを総括している国際宇宙研究所の一員であるアリスと恋人関係にあった。 互いは量子テレポーテーション理論を軸にした、光の速度を介せず距離を省いた情報の同時共有、つまり、全くタイムラグのない送受信の実験にて会話をするのが任務であった。 だが、地球にいるアリスが病に罹り……
SF
全1話
完結済み
#ショートショート
#量子力学
失踪がための疾走
No Image
突如、万年暇を持て余す草薙拓哉(くさなぎたくや)に、「君は命を狙われている! 逃げるんだ!」という一方の電話が届く。当初、半信半疑の草薙であったが、自らの住む一人暮らしのアパートの部屋に強引に入ろうとする者が現れて、咄嗟的に草薙は謎の電話相手の従い脱出を試みる。 それ以後、草薙は電話相手から「これからは私の指示に従って逃げるんだ!」と脅迫まがいに言われつつも、携帯電話片手に電話相手と会話しながら、草薙はその電話相手の言葉に従い逃走し始める。 するとその最中に謎の電話相手と奇妙な信頼関係を草薙は覚え始め、また、自らの存在価値性にまで言及するようになって、その心情は変化していくのだが……
ホラー・スリラー
全2話
完結済み
#スリリング
#パニック
そんな二人のレクリエーション
No Image
他愛の無いカップルのダイアローグ。何やかんやとウマい関係で居続けそうな、若い男女のホッコリとした対話劇。
恋愛
全1話
完結済み
#ショートショート
お喋りな靴磨き
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彼氏とケンカ中の小夜子は、雨上がりの道を歩く中、不注意で水溜まりに自らの靴を入れて汚してしまう。そんな前にちょうど靴磨き屋をしている中年男がいたのだが……
ヒューマンドラマ
全1話
完結済み
#ショートショート
#ほっこり
ストーキング・スクランブル
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ストーカーをしている相手が、他にもストーカーされていて、そのストーカーが自分のストーカーをしている相手を殺してしまい、自分がその殺人現場にいて……というような展開のカオス感満載のお話だよ💛
コメディ
全1話
完結済み
#ショートショート
光に目も眩み
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男が目覚めたら、そこは暗闇だけが横溢している、恐らくは、部屋、のような場所だった。しばらくして男はここが部屋というより、迷宮、と呼ぶ方が相応しいと思ってきた。空間が暗がりで判別できないので、何処をなんとも言うべきか出来ない状況……そのように男は判断するしかなかった。そして、その謎のスペースに響き渡る、やはり謎の声が男をさらに窮地に追い込んでいくのだが……?
ミステリー
全1話
完結済み
#ショートショート
#シュール
優雅なる賭事師たち
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残酷な殺人事件で審理を問われている犯人をして、その犯人が死刑になるか、有罪にになるか、それとも無罪になるかの三択から選んで、その裁判の結審を賭けの対象にして、遊び半分に、また、戯れに億単位の金でベットする三人の富豪。三人にとっては何の気負いもない緩いゲームの一種だと、億単位の金を賭けながらも余裕しゃくしゃくに裁判の結果を待っていた。 だが、その賭けは意外な結末を迎えて……
その他
全1話
完結済み
#ショートショート
ラップで歌へ君が代
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現代風最先端な感じの若者に「日本の将来は?」について尋ねる、という小話です。
コメディ
全1話
完結済み
#ショートショート
クイズ! 殺(や)るのはアナタだ!!
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死刑囚が生死を賭けた戦う異常なクイズ番組「クイズ! 殺るのはアナタだ!!」は、死刑囚二人ががサシで十人勝ち抜けば無罪放免となり、十人抜きをした死刑囚は生きて出所できるという内容のTVショウ。 そこに家族殺しの、しかも実は冤罪でこの番組に出場したWはすでに九人抜きを達成していた。また、勝ち残った暁には、不幸中の幸いにもWは真犯人の顔は分かっていたので、出所後自らが真犯人を探し出し、家族の仇を討つという野望を胸の内を秘めて。 だが、十人目の対戦相手が、そのWが見知っている自分の家族殺しの犯人だった……
ホラー・スリラー
全2話
完結済み
#ショートショート
食い逃げ
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世に我が身の貧しさの責任を押し付ける佃仙吉(つくだせんきち)。飯場で使い捨て労働者となり、常に社会を見下しながら生きていたが、ふと立ち寄った中華料理屋のチャーハンの味に感動して、一転して腐り気味の人生観が変わったのだが…… 現代プロレタリア文学のまごう事なき傑作の登場!
コメディ
全1話
完結済み
#ショートショート
離婚ゲーム
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若夫婦の二人を通じて綴る、シニカルな離婚スタイルのサタイア。離婚の現代スタイルを世に問う。
その他
全1話
完結済み
#ショートショート
オススメの商品があります
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高校ではイジめられ、もっぱら家に引きこもり、ネット通販にふけるジェファーソン。そんなジェファーソンはある日、ふとモデル ガンを通販で買ったのだが、その際に現れたPC上のレコメンド機能の推薦商品で、本物の弾丸が紹介されてきて、さらには次々と真正の武器や装具がオススメとして、ディスプレイに現れ……
その他
全1話
完結済み
#ショートショート
美味しいオカシがオカシた代償
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生真面目な青年の目の前に突如に現れた人間の姿をした悪魔のセールスマンは、青年に「究極美味の菓子」という物を提供する。それは粒状のチョコレートのような見た目。 青年はそれを口にすると、その名に違わずその菓子の美味が舌に広がった。その味に感動以上の美味しさを覚える青年。 だが、悪魔のセールスマンは言った。 その菓子を一粒食べる度に、何処かの誰かが一人死ぬ、と。
その他
全1話
完結済み
#ショートショート
Remember your memories.
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「記憶管理業」という仕事をしている若き『記憶管理士』のヴィンセント。 その仕事内容は個人の記憶の〈保管〉と〈消去〉という作業。 〈保管〉の方は顧客(相手である個の人間)から喜怒哀楽の感情を含んだ記憶をカードに取り込み、言わばその記憶を追体験して楽しむという一種の娯楽。 一方で〈消去〉というのは文字通り、記憶の片隅に残る覚えておきたくない記憶をデリートするという作業。 〈保管〉にしろ〈消去〉にしろ、客層は諸々。 だが、そんなある日、別れたばかりの付き合っていたジェフの彼女であったサラが、ヴィンセントの運営する記憶管理業の店に偶然やって来た。
SF
全2話
完結済み
#短編小説
#記憶
#近未来
#ドラマ
悲しみの名はロミオ
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日常の仕事や人生にいまいち燻っている溝呂木健一(みぞろぎけんいち)は、毎度、仕事中の昼食を職場の隣りの廃ビルの屋上で一人とっていた。 だが、そんな折、溝呂木はその屋上でこれから飛び降り自殺をしようとする若い男と出くわしてしまう。溝呂木は一時戸惑ったものの、勢い一つその自殺しようとする者の飛び降りを止める。しかし、溝呂木としては人助けと思ってした行動なのだが、救われた自殺志願者は「どうして止めたんだ!」と、異常なほど泣きじゃくり怒り狂いその場を去って行った。しばらく茫然自失になる溝呂木だったが、やがてその出来事も気にせずいつもの毎日が再開した。 しかし、ある日溝呂木が出社すると、新人社員を紹介された。名前は草壁直也(くさかべなおや)。その男はかつて溝呂木が飛び降り自殺を止めたその相手だった!? 溝呂木はその草壁と再会して以来、不条理かつ奇妙かつ狂気地味たトラブルに巻き込まれていくのだが……
ホラー・スリラー
全9話
完結済み
#サスペンス サイコパス
WALK
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別れ話をするために、主人公が彼女が待っている喫茶店まで向かう道程で脳裏によぎる、感情の機微と想いの変化を綴った掌篇小説。
恋愛
全2話
完結済み
#短編小説
#恋の結論
#男女
#モノローグ
我、一粒の麦なりて
ナチス・ドイツがポーランドに侵攻して一九三九年は九月に勃発した第二次世界大戦。ナチスは戦争によって領土拡大(生存圏の拡張)する第三帝国思想に基づき、欧州の各国を次々と陥落させるとともに、一方で優性思想と選民思想を掲げて、アーリア人至上主義を達成するため、ドイツ国家の国民にそぐわない人民を排除する、所謂、大量虐殺(ホロコースト)を敢行する。特にユダヤ人はその最たる標的として、大量のユダヤ人がアウシュヴィッツ=ヴィルケナウと呼ばれる絶滅収容所(絶滅収容所自体は多数存在する)に送り込まれ、そこで虫けらのように殺されていった(実際にはユダヤ人だけでなく、ポーランド人やノルウェー人やベルギー人、ロマ族の人々、さらには精神的・身体的不具者から浮浪者や同性愛者まで、処刑対象は多岐に渡っている)。 そんなナチスの非道の行為が進行していく中の一九四一年の八月。アウシュヴィッツで一つの事件が起こる。収容所から脱走者が出たのだ。そのようにアウシュヴィッツ内で脱走者が出た事態が起こると、その脱出者のいた班の連中が連帯責任をとるために、監獄の一室の中に十人が選ばれ閉じ込められて、餓死刑に処せられる、という拷問が発生する。選ばれる犠牲者はランダム。選ばれた者は確実かつ苦悶必至の死が待っているだけ。選ばれた人々は悲嘆に暮れる。特にその中でも選ばれてしまった元・ポーランド兵士は、残した家族を想い絶望のどん底に落ち込み泣き叫んでいた。 だが、その時一人の神父が前に出る。この人の代わりに私が餓死刑を受けましょう、と。彼の名はマキシミリアノ=コルベ。ポーランド人のカトリック司祭だった。
ノンフィクション・批評・感想
全14話
完結済み
#アウシュビッツ
#第二次世界大戦
#宗教
#ナチス
#思想
#人間ドラマ
これからの悲しみについて
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それは「彼女」にとって、突然の夫の死だった。まだ若い二人の夫婦の生活は夫の事故死で早くも終わってしまった。だが、彼女にはどうしてか涙がわいて出てこなかった。何故なら夫の死の当時、夫は多大な債務を背負っており、その借金の返済の為に四苦八苦している状況だったので、彼女の心情としては夫の死によって入った生命保険の支払いと、何とか家を抵当に入れる事によって借金が返せたから。そのような事情もあり、彼女は悲しみと安堵の複雑な思いを抱き葛藤する。本当に私は夫を愛していたのか? と。 そんな募る思いを彼女がしている日々、死んだ夫からワインの彼女への誕生日プレゼントが届く。夫が事故死したのは彼女の誕生日の近づいていた日。つまり、送り届けられたワインは夫の死とは時間差した置き土産の贈り物だった。 彼女はそのプレゼントを受け取ると、生前、ワイン好きの夫が、この部屋には入らないでくれ、と言われてきたワイン・セラーの部屋に、ふと入ってみようと考えた。
ヒューマンドラマ
全2話
完結済み
#恋愛
#喪失
#再生
#涙
#感動
キャッチボール
普段は治安の良い都市部の平和な街。そんな街で突如起こった中年夫婦殺害事件。それとほぼ同時に銀行強盗殺人事件が勃発。すぐさま所轄の刑事である橘(たちばな)とベテラン刑事の野々宮(ののみや)が現場の銀行に向かった。既にその場では三人が銃殺されていて、銀行強盗犯人は自分の両親でもある老夫婦殺人犯人でもあった。早くも五人の死者が出ている惨殺事件の様相を呈している。犯人は銀行員や客を人質に取り銀行に籠城。 その犯人の名は沢田大翔(さわだはると)。 その名前を知り橘はかつて甲子園を目指した友人の名前を思い出した。
サスペンス・犯罪小説
全15話
完結済み
#ハードボイルド
#友情
#高校野球
#青春
イカロスは飛べず
太平洋戦争終戦直後。学徒動員の際に海軍に入隊し、神風特攻隊に配属されたが生き残り復員してしまった若き元・軍人である宇野正成(うのまさしげ)。だが、彼はいざ戦地から祖国に戻ってはみたが、戦時中に米英撃滅と意気込んでいた日本国民が、アメリカ主導の占領政策によって米流の戦後民主主義に踊らされ、手の平返しのように過去の大日本帝国の時代の日本を否定し、さらにはその全ての戦争責任は当時の政府であり大本営である、という国民の責任転嫁の考えに疑問を持つようになる。狂奔していた当時の日本軍の暴走は否めない部分はあるが、それを支持したのも少なからずは列強・日本を目指す日本国民の意志も反映していたのではないか、と。 そして、一九五一年のサンフランシスコ講和条約を日本が締結する時事について、さらに宇野は日本や日本国民のアティテュードに怪訝に感じるようになる。特に愛国主義者でもなく右翼思想や保守の持ち主ではない宇野だったが、戦後の総括としてどうにも矛盾した国勢と世論に反骨を示すために天誅の行動を決する覚悟を決める。だが、真に矛盾を感じているのは自分自身なのではないか? という心情に一方でとらわれる事になる。
歴史・時代
全12話
完結済み
#太平洋戦争
#戦後
#敗戦
#青春
#神風特攻隊
白革の手帖
No Image
浪人生の御薬袋雅人(みないまさと)はいつものように鬱屈を抱えながら予備校に通う途中に、雨降り後の道端で濡れた白革の手帖が落ちていたので、戯れにそれを拾ってみた。その手帖は雨水で濡れていて、判読不能な部分が多かったが、あるページに幾つかの人名が並んでいて、その中の下段部に「御薬袋」という名字が書かれている事に気づく。しかも二つ。だが、あくまで御薬袋、という名字だけが読み取れるだけで、下の名前までは水で濡れていて判読できなかった。さらにその下の行も水で濡れていて、もしかしたら御薬袋という名が二つ以上あるかも知れない、との確認も取れなかった。 御薬袋雅人は「御薬袋」という名字は珍しいので、自分に何らかの関係があるのかと想像し、深く考える事もなくその手帖を手にして持って行ったのだが、ある日、その手帖に書かれていた人名の人間が殺されている事を知り、さらに次々とその白革の手帖に書かれている人間が殺されていっている事にも気づく……。
サスペンス・犯罪小説
全6話
完結済み
#ミステリー
#犯罪
#推理
#謎の犯人
愛は刻(とき)より冷たい
No Image
物語の時代は現代~近未来の頃。物語の舞台は先進的な科学技術機構が所在している、とある国。 軌道エレベーターの国際開発機関「ISEDO」のスタッフである、若き科学者のウィリアム・ロックワード。彼にはやはり科学者である父親がいたのだが、何者かによって殺された、という過去があった。それも自身の目の前で。だが、その記憶はおぼろげ。 それ以後、ウィリアムは父親を亡くし母親と二人きりになったものの、その二人を父親と母親の友人であり、同輩の科学者のモリス・トンプソンが影ながら支えるようになる。母とモリスはいつしか結婚するのだろう、とウィリアムが子供心に描くぐらい二人は仲睦まじく見えた。だが、ついに連れ添う事なく、母は病死してしまう。 そして、母親の死後、科学者となったウィリアムはISEDOでモリスとともに軌道エレベーターの開発に勤しむようになった。 しかし、そのモリスがある日突然姿を消す。ウィリアムに「私は私自身との約束を果たす時がきた……」という謎の書置きを残して。 周囲では他国による独自の軌道エレベーター開発技術において、モリスの頭脳を借りるため何処かの国のスパイだか誰かが、モリスを誘拐もしくは拉致した、と騒ぎ始める。だが、モリスの足取りも掴めないまま時間は過ぎる。あまりに音沙汰がないので、もしやモリスの方が情報を売ったのではないか? という疑惑がいつしか持ち上がり、ISEDOでは不穏な空気が流れ始める。 またその頃からどうしてか、ウィリアムは父親が殺された過去の場面を、夢で何度も見るようになる。 さらにウィリアムは奇妙な噂を耳にする。モリスは失踪する前まで「温度差による時空の変化」という独自の理論をもってタイム・トラベルの研究を行っていた、と。 幾つものモリスに関わる情報にウィリアムは困惑しながら、一方でウィリアムは何度も見る殺害の夢の中で記憶が蘇り始める。父親殺害の当時、その瞬間、ウィリアムはショックのあまり気を失った。その寸前に近づいてきた犯人がウィリアムに告げた台詞。それをウィリアムは思い出す。 『私は私自身との約束を果たす時がきた……』
SF
全6話
完結済み
#サスペンス
#ミステリー
#タイムスリップ
下り坂に向けて
No Image
定年を間近に控えた片倉(かたくら)惣一(そういち)は自宅の和室で爪を切りながら、ふと、前々から禁煙を試みようとしていた事を思い出す。また、その主な理由は定年を機会にして、自分に変化を求めるため……だと思っていた。一方でその定年退職という、人生のある種の節目に対して生じた淡い禁煙宣言が、奇妙な強迫観念に囚われている事にも気づく。 それは友人・御厨純也(みくりやじゅんや)に掛ける回顧。 自分が禁煙を思いついた発端となったのは、一考すると豪放磊落な御厨純也がうつ病を患ったという、意外な事実に起因するのではないか? そんな懐疑にも似た思いが、強迫観念に変わっていったことに。 片倉は共に青春を生き抜いた御厨純也との記憶を交えながら過去を顧みつつも、自分の第二の人生について思案を巡らし始める。
ヒューマンドラマ
全2話
完結済み
#老年
#うつ病
#人生
追想
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都会の日々と仕事暮らしの中で、時に疲労を覚え始めた岩根貴俊(いわねたかとし)。 ある晩、仕事から帰ってきたら、テレビで故郷の山形は尾花沢市のさくらんぼ狩りの特集が放送していた。その映像を目の当たりにした岩根は、ふと郷里での思い出を振り返り、祭りや紅花摘みの記憶から、労働とは? という思いを広げていく。
ヒューマンドラマ
全1話
完結済み
#労働
#故郷
カルブレイス・ラプソディ
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時代は一八五三年七月八日(嘉永六年六月三日)。 舞台は浦賀。 突如としてやって来た、日本の歴史上名高いペリー率いる四隻の黒船来航。 異国船の出没は度々ここ浦賀沖でも見られた事だが、今回における来航はその船の物々しさや威嚇など、前例には無い規格外さが際立っていた。 慌てふためく浦賀奉行の一行。どうやってこの状況を打開するか? どのようにして交渉していくか? 度重なり急襲する危機に対して、浦賀奉行は時間の猶予も無いまま対応する事を迫られる。そして、その交渉役全般を一任されたのは浦賀奉行の与力である香山栄左衛門(かやまえいざえもん)。 香山はその身をもってして黒船連中との交渉に奮闘するも、なかなか埒が明かず苦戦を強いられる。さらに寝耳に水と思っていた黒船来航だったのだが、黒船側からは今回の訪問は既に通達してあった事だと言う。 まさか幕府や浦賀奉行がそんな大事な通知を隠しているわけがない。 香山はそう思う一方で怪訝な気持ちも捨て切れない。 そして、事実、浦賀奉行の上層部や幕府の方では実は事前予告があり、それが周知だった事を香山は知る羽目になる。今まで与力として長年身を粉にして幕府や浦賀奉行に尽くしてきた香山にとっては、その隠蔽はひどい裏切りに感じた。だが、一方でやはり一人の与力として、ここまでやって来た黒船との交渉を辞めるわけにはいかない、と使命感を燃やし最後まで忠実に任務をこなす。 黒船来航における史実を通して、異国間の文化観や渉外観の違い。そして、一人の男が一つの仕事をやり遂げる事が、いかに困難であり重要であるかをテーマに描いたペリー襲来のもう一つの物語。
歴史・時代
全4話
完結済み
#黒船来航
#幕末
初恋ビギナー
No Image
三十歳を前にして、人生の岐路に立たされるような感慨を覚えるようになった、典型的なモラトリアム青年の西条慎二。その姿勢は退屈な毎日として、日常の瑣末な事柄に手前勝手な期待をする日々という具体化をもって現れていた。そんなある晩、いつもと同じように仕事から帰り、恒例の一日分溜まった郵便受けのチラシのチェックを、家に入る前に行う西条。その中に普段は見慣れないチラシが紛れ込んでいた。それは、西条の地元にある公園が、マンション建設のため廃園になるので、街の景観を守るため、その建設の反対をアピールするチラシであった。そして、マンション建設反対運動を促すそのチラシに、西条の中学時代の同級生である、服部優子という名と連絡先が、運動の代表として書かれてあった。その名前に西条は気に懸かる事があり、半ば戯れに、半ば胸に期する思いを抱きながら、会う約束をかこつける。反対運動に賛成するという体で。
青春
全3話
完結済み
#ノスタルジア
#初恋
蒼(あお)に歩けば
No Image
快晴の天気、青空が広がるとある日に、恋人を事故で失った、宇垣紬(うがきつむぎ)の悲しみと苛立ちの回想の一節を連なった、今、陽光が煌く青々とした空の下で歩く彼女の叙景の物語、
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全1話
完結済み
#恋人の死
#再起
#別れ
#雨
思い出、見つけます。
テレビ局で順調に出世していた加藤哲夫(かとうてつお)が、突然に退職をした。このまま局に残れば重役待遇は間違いないのに、新事業を立ち上げるために加藤は会社を辞めた。その際に加藤とは学生時代からの友人であり放送作家をしていた高遠稔(たかとおみのる)が、新しい仕事をしないか、と誘われ、高遠もそれに承知する。 だが、その新しい仕事というのが『デジタル・アーカイブ』事業という耳慣れない仕事で、高遠が話を聞く限りは、功利主義的なイメージを抱いている加藤には似つかわしくない職業だった。 過去に残っている紙の記録媒体や、ビデオテープなどを、デジタル化して保存する、ある種、文化事業のような仕事がデジタル・アーカイブ。そんな仕事に何故テレビ局では敏腕ディレクター、凄腕プロデューサーとして視聴率主義を取り名を馳せた加藤が携わろうとしてるのか? 高遠には謎だった。
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全7話
完結済み
#郷愁
#親子
#仕事
#デジタル・アーカイブ
月は見ている
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来るべき社会人生活に向けて、現在就職活動中の大学四年生・常盤直子(ときわなおこ)。彼女はそんな多忙な日々で、一時の休息がてらに幼馴染みの樋口俊介(ひぐちしゅんすけ)と会う事を、密かに楽しみとしていた。樋口は直子と同い年でありながら大学を中退して、今ではフリーターをしながらどうしてか「宇宙人探し」なるものに没頭する日々を送っている。子供の頃から突飛な空想にふけたり、妙に夢見がちな樋口の性格を、直子は知っていたのでそれほど驚いてはいなかったが、一方で理解もしていなかった。「この年齢になってさすがにそんな事思いつくかしら? ホント、意味分かんない」の思いをもってして。だが、そんな樋口が直子は嫌いではなかった。世間と何処かズレていて、浮世離れした感のある樋口俊介が、大人の世界に入り込みかけている、どうにも好きになれない自分と違って見えるから。憧れというか、懐かしさというか、なかなか自分でも分かり難い気持ちで直子は樋口と接し、多少やきもきしながらも、おおむね癒される。それが直子にとっての樋口の存在だった。とりあえずは。 一方で直子は、自分の周りの環境が成長するに従い、微妙に変化していく事に戸惑いを覚え始める。些細な事ではあるが友達との関係もギクシャクし始め、就職活動にしても自分のやる気とは裏腹に、セクハラまがいの嫌がらせを受ける始末。次第に直子は自分自身のこれからの「行き先」を見失うようになっていく。こんな時、樋口に会いたい。内心ではその気持ちを認めてはいない直子であったが、そんな強がりとは裏腹に樋口に連絡を入れてみた。だが、その樋口とは、直子の「アンタは楽しそうでいいわよね」の問い対して、樋口が淡白に答えた「そんなに楽しかねえよ」の一言以降、樋口が消息を絶ち連絡が取れなくなってしまった。樋口の安否と危惧に苛まれる直子。そして、そんな樋口との状況の渦中、直子の就職先が決まる……。 社会に出るために煩悶し、また己の「大人」に躊躇いを覚える常盤直子のビルドゥングス・ロマン
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#恋愛
#成長
#夢
#就活
そして、私は途方に暮れない
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自らの都合で一方的に別れ話を持ち出した鹿角翔真。恋人の小泉文乃はその現実を自然と受け取り、お互い何のしこりも残さないで終わったと思っていたのだが……
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フェアリーテイルの終わりに
小学校を卒業し、中学一年が始まる春の頃……地方の小都市、いわゆる「町」からニュータウンの様相を呈した都市郊外の「街」に引っ越してきた十二歳の少女の篠田琴美(しのだことみ)。 中学生の彼女は付近では有名な浮浪者風の葉巻をくわえたオジサンと公園で出会う。琴美とオジサンはテグジュペリの「星の王子さま」の本を介して、琴美の他所者意識から来る「異人感」と、オジサンの他の人々とは違う「異人感」につながる、共有の「孤独」に既視感を持つ事もあってか、琴美はオジサンと奇妙にも親交を深めていく。 一方で琴美は引っ越してきた事による環境の変化から、家族間の齟齬や新しい友人達との軋轢。また、初潮の始まりや胸の膨らみによる、少女から大人に移りゆく肉体の成長への嫌悪。そして、クラスメートへの淡い初恋の思慕。それらに対して自分自身に違和感を覚え、変わりゆく「全て」に戸惑いを隠せなくなる。そんな日々の折、琴美は妄想に逃げ込むようになり、不思議な印象を持つオジサンを、星の王子さまのような宇宙人ではないかと考え始めた。
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全12話
完結済み
#恋愛
#学園モノ
#切ない
#ファンタジー
#青春
#片想い