小説家志望の会社員、川崎ユリイはひょんなことから派遣型女性専用性風俗を利用し始め、部屋に派遣されてきたアントンという男性と知り合う。 一方、河崎マチノは高校を中退し毎日暇をもて余していた。 そして見えない糸がこの３人を次第に結び合わせることになる…。

中学２年の画家の息子の僕は父のアトリエを訪れる二十歳の美大生の帆波さんと肉体関係になる。 その後、学校の美術部に入ってきた御厨さんという平凡な性格の女の子とも仲良くなり、ディズニーランドのホテルで彼女とセックスする約束を交わした…。

東京渋谷区のマンションの一室で若い女性の他殺体が発見された。 警視庁の刑事、綿貫は事件の被害者、神室花音の恋人でピアニストの桐島海人の存在を知る。 桐島海人は事件当日から行方不明となっていた。 色恋沙汰の末の犯行と見た綿貫は桐島の行方を追う。

中編小説『夜の月子』の続編。 (前作を読まないと理解できない箇所有り) 彼の家を出た後、月子はプロのヌードモデルとして成功し、芸能界へ。 プライベートでも結婚、娘を授かり、幸せの直中に身を置くも彼女の周りの身近な者たちの死を月子は目の当たりにし、苦悩する。 生かされている自分とは何なのか、その答えを探す日々を送る。

精神疾患により生活保護に頼る兼城ムサシは通院するクリニックの主治医との揉め事をきっかけに逃亡生活を余儀なくされる。 全てを捨てる覚悟の途中でムサシはピンク色に髪を染めた黒装束の女性ツバキと知り合う。 「あなたを助けてあげる」 ツバキにそう言われたムサシは彼女と行動を共にする。 ムサシの旅は日本を飛び出し、シンガポールを経てアゼルバイジャンそしてブエノスアイレスと続き、その傍らにはいつも最愛の女、ツバキがいた。

12月の雪の降る日、家出した月子は渋谷のハチ公口でスマートフォンで自分を泊めてくれる人を探していた。 そんな月子に声をかけてくる人物が。 「居たければ好きなだけ居ていい」と言われてその若い男性の住むアパートへと向かい、その日から一緒に住むことになった…。

イラストレーターの渚砂さんは副業として働く《いけないマッサージ》のお店で客として来た男性に惚れてしまい付き合うことに。 しかしその男性の本当の職業を聞いて絶句するのであった…。

昭和55年、東京葛飾区に住む中学生の緑川紀水香は夏休みに姉従姉の翔子の提案で彼女とクラスメートの莉子と3人で地方の田舎の山奥の温泉地、「鬼燈温泉」に旅行に行くことになった。 温泉旅館に紀水香たちが到着すると薄気味悪い笑い声をあげる年老いた老婆が出迎えたのだった…。 謎の温泉旅館で繰り広げられる恐怖の体験を描く。

篠崎悠太と妻の岬は毎朝のセックスが日課の新婚夫婦。 ある日、都内の美大に通う岬から悠太は海外留学の話を突然聞かされて動揺を隠せなかった…。

床屋の店主でダジャレ好きの父、昭平。 その独り娘でテレビの元クイズ王の未久は大卒の就職浪人。 そして昭平の後妻の菊子。 ３人はひとつ屋根の下それなりに楽しく暮らしていた。 他にも愉快で奇妙な仲間が加わり何か起こりそうで何も起こらない日常。 時代は昭和。 東京下町のアーケード街を舞台に繰り広げられる爆笑ホームコメディ。